ハロウィン
「あのう・・・やっぱり帰ります」 どちらを選んでも、絶対何かある。とすれば、ここは帰ったほうがよさそうだ。 「逃がさん!」 ドスン!というかなり大きな音と共に、セナは床の上に引き倒された。 「俺がお前をこのまま帰すとおもうか」 セナにのしかかり、両手首をがっしりと押さえつける進の表情からは、いつもの冷徹な仮面は剥がれ落ち、セナを見つめる漆黒の瞳の奥には昏い欲望と熱をたぎらせていた。 (そういえば最近、進さんの試合やら僕の模試やらで、エッチしていなかったっけ・・・。) 自分がまさに飢えたオオカミの巣に飛び込んだことに今さらながら気づいたが、時すでに遅し、だった。
むさぼられている、まさにそんな感じだった。 「あぅっ・・・」 分身を強く握られて、セナは痛みと恐怖に涙をにじませた。だが今にも握りつぶされそうなそれは、進の手の中で震えながらも熱く脈打ち、大きくなった。強い力で扱かれる。すすり泣くあえぎ声はどこか甘さを含んでいた。 「あっ・・・あっ・・・いた・・・・っ・・・アアアッ・・・!」 強引に扱かれて達してしまったセナの息も整わないうちに、進はその身体を返し、色白の尻をつきださせる格好で這い蹲らせた。 「あっ・・・待っ・・・・アアア――ッ」 記憶よりもはるかに大きな塊が、めりめりとセナの中に押し入ってくる。驚いて抵抗するセナの身体に力任せに押し入り、空虚だった内部を強引に満たしていくそれは、痛いほどに熱い。 「うっ・・・あんっ、あんっ、あんっ!」 身体を引き裂かれる痛みは熱い疼痛となり、何度となく擦られるうちに今までになかった興奮と快感がセナの頭をしびれさせた。 「・・いしてるっ・・・セナッ」 耳元で荒い息と共に囁かれた瞬間、セナの内部が進自身をきつく締めあげた。進は一瞬息をつめ、それからますます激しく腰を打ち付ける。 「あんっ、あんっ、あんっ、アア――ッ!」 中に熱い欲望を吐き出されるのを感じながら、セナもまた床に熱い液を散らした。
嵐のような熱情が去った後。正気に返った進は、誤って飼い主の手を噛んでしまった大型犬のようにしょげ返った。 「痛みはないか?」 我を失っていても、膝だけはズボンを脱がさないでいてくれた。 「・・・・すまん」 いくら恋人だからといって、力づくで行為を強要するなど許されることではない。 「・・・小早川。これでは立場が逆だ」 寂しくて触れたい気持ちはセナも同じだったから。
おわり |