はじめての・・・
深い深い口づけを交わす。 キスにうっとりとしているうちに、いつのまにかベッドに横たえられていた。 首筋に顔を埋めていた進が身体を起こしてセナに問う。 わかっていたはずだ。恋人の部屋に行くということは、了承のしるし。 かすかに震えながら答えられずにいるセナを見て、進は少し苦しそうに眉を寄せ、 「すまん」 ひと言そういって、再びセナに覆いかぶさった。
セナがおびえているのは知っていた。 震える小さな身体を前にしても、自分が抑えられない。
「あっ・・・」 Tシャツの下から手を差し入れ、腹から胸へと手を滑らせると、セナが身をよじらせた。 「ふ・・・ぅ・・・ん」 口を押さえる手をどかし、Tシャツを脱がせた。 「進さん・・・進さんも、脱いで・・・」 自らもTシャツを脱ぎ捨てると、あらわになった滑らかな肌に唇を這わせた。 「あんっ」 びくりと細い腰が跳ねる。自然と開いた脚の間に身体を割り込ませ、びくびくと脈打つ肉塊をしごき始めた。初めて他人によって与えられる感触に、セナはすすり泣くような、か細い声をあげている。胸からわき腹、臍、足の付け根へと下りていった唇は、そうしたいという欲望のままに、それまで手の内に握りこんでいたそれを、口の中に含んだ。 「やっ・・・進さ・・」 焦ったセナが進の頭を離そうとするが、二本のがっしりとした腕が、細い両脚を抱えるように腰に回されていて、びくともしない。口で与えられる愛撫は刺激が強すぎて、あまりの気持ちよさに頭が真っ白になってしまう。 「あっ・・・あっ・・・ダメ・・・でちゃう・・・っ」 焦って身をよじるが、進は離れない。セナはビクビクと身体を震わせると、とうとう精を吐き出してしまった。 「冷たいだろうが、少しだけがまんしてくれ」 そういいながら液体を塗りこめているのは、まだ固く閉ざされている狭い入り口。進の太い指先が入っただけで、セナは身を固くして、進の肩口にしがみついた。進は慎重に、オイルのついた指をセナの中へ埋めていく。 「あ・・・あ・・・っ」 オイルのせいで痛みはないが、どうしようもない異物感がセナを襲った。 「ああんッ」 再びセナの身体が跳ねた。何かにきづいた進がそこを集中的に擦ると、すすり泣くような声をあげながら、進の背中にしがみつく。さっき精を出したばかりの分身はふたたび勃ちあがって欲望を滲ませ、それまで進を拒んでいた内部は、やわらかく溶け出した。 進は指を引き抜くと、細い両足をすくいあげ、すでに固く勃ちあがっていた己の分身を入り口にあてがった。 「あ・・・あ・・・ああ・・・っ」 指とは比べ物にならない質量が進入してきて、セナは腰をひきそうになるが、進の腕がそれをゆるさない。 「・・・動いていいか?」 精悍な顔に汗を滲ませ、少し苦しげな表情の進が問うと、セナは熱で潤んだ目で小さくうなずく。 「あっ、あっ、あっ、あっ・・・」 自分の中で暴れる分身に、セナは翻弄されていく。 「しんさん・・・進さん・・・っ」 荒い吐息がからみあう。腰の動きが一際速まった時、2人は同時に達した。
全力疾走したときと同じ、荒い呼吸が収まるまで、ふたりは抱き合ったままキスを交わしていたが、 「ちょ、進さん?」 服も身につけず、軽々とセナを抱えてバスルームに向かう。 「そ・・・んなの、後で自分で」 そのままにしておくと、体調を崩すと聞いた、と少々申し訳なさそうに言う進に、 シーツには毎日ここで眠る進の匂いが染み付いている。
おわり |