禁域
禁忌への誘惑は甘美な香り
明かりを消した部室には満月の蒼い光が差し込んでいた。 「越前君、お口が留守になってるよ」 どこか愉しそうな不二の声に現実に引き戻され、口の中のソレに意識を集中する。 「誰のことを考えていたの?」 聞くまでもない問いを無視して舌を絡める。舌先を使って浮き上がる筋をたどり、 「このこと、桃は知らないんだろう?」 穏やかに、しかし深々とリョーマの中に自身を突き入れながら、気遣わしげに 「彼の様子じゃ、まだ最後までしてないんだろう?大事にされてるじゃない」 口腔を犯すように上下に突き入れながら、不二がおっとりと言う。するとリョーマ自身を 「もったいないにゃ、おちび、こんなにおいしいのに」 といって、幼いながらも勃ちあがりきった分身をぱくっとくわえて、猫のような舌で 喉の奥まで押し込まれていたソレがすっと抜かれる。急に空虚になった口腔を それまでなすがままに揺さぶられ、奉仕していたリョーマの瞳がふと意志の光を 「フェラチオはイイのにキスはだめなのかい?まるで娼婦だね」 淡々と述べる乾の口調には別段、怒りも蔑みもない。ただ客観的に事実を述べただけ 「今の君は、きっと桃じゃ満足できないと思うよ」 腰を動かしながらやはり淡々と乾は述べた。 ああ見えて、九割以上の確立で桃は童貞だよ。それにひきかえ、君は複数の男に 涙に濡れたリョーマの瞳がキッと乾を睨んだ。口腔を出入りしている肉棒に歯を立てる。 「痛・・・ッ!」 予想外の反撃に顔をしかめて自身を引き抜く。 「も・・・も先輩とはこんなこと・・・しない・・・ッ」 離れた乾をなお、きついまなざしで睨みみつけているリョーマの顔の上で、 「しない?だって、つきあっているんでしょう?」 桃もかわいそうにね。意地悪い揶揄にリョーマは答えずに顔をそむける。 「おイタはだめだよ越前君・・・それともおしおきされたいの?」 タカさん、と不二たちを見ながら後ろの方で扱いていた河村を呼ぶと、彼も不二と同様に 「ア――あんっ、あんっ、あんっ・・・!イク・・・イッちゃう・・・!」 「君の顔を汚してあげる」 その声を合図に、二人の熱い精がリョーマの顔にかけられる。どちらのもとのもつかない 「大石、次オレね♪」 力を失った大石のモノがずるりと引き出されると、リョーマの精を飲み干した菊丸が 「はっ!・・・あっ・・・あんっ・・・あっ・・・!」 淫らな喘ぎは今度は別の男根で塞がれる。菊丸が達するとまた別の大きさと角度で 複数の男に抱かれる快感。禁忌の味は一度知ってしまったらもう後戻りはできない。 心が求めているのはたった一人。 腰や口の感覚がなくなるほど犯されているのに、もうやめてっていわなければならないのに。 「ねぇ・・・次の人、早く来てよ」 自分のものじゃないみたいな淫らな声が行為を促す。だれのものともつかない精液をソコから 「淫乱」 はき捨てるように言いながら乱暴に押し入ってくるのは海堂。 そうだよ、オレは淫乱だから。 あのひとに抱いてもらう資格なんか自分にはない。 これは当然の報いなんだ。 だから――部長、そんな目でオレを見ないで。 堕ちるところまで堕ちた、惨めな自分。
あのひとが・・・もしこのことを知ったとしたら。
委員会の後、まさか誰もいないだろうとおもいつつ部室のドアを開けた桃城は、 「越前!?」 月明かりが窓際のベンチに座っている越前を煌々と照らし出している。後は学ランを 「もしかして俺を待ってたのか? 我知らず早口になっていた桃城の言葉が、ぴたりと止んだ。 「どうした?越前」 桃城の声が優しくなる。越前から抱きついてくるのははじめてだった。 「なあ・・・今晩俺の家に来いよ」 越前の形のよい耳たぶを唇に挟みながら桃城が囁く。 「越前?」 しばらくの沈黙の後、固い声で越前は拒絶した。 「ちぇっ・・・まあ、無理強いはしねーけどよ」 初めてだもんな。仕方ねーな、仕方ねーよ。と呟きながら、ちょっとその気に
おわり 桃先輩ごめんなさい。リョーマはいやらしい悪い子です・・・。 みたいな話(^^;)
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