道具

 By 紫門さま

 






「ほら、もっと腰を突きだして・・・」
「やっ・・なんでこんなかっこ・・」
「ふふ・・、淫乱な貴方にぴったりのものがあるんですよ・・」

直江はそういってベットの下から小さなボックスを取り出した。
片手で高耶の躯を愛撫しながら、もう片方の手で箱からそれを取り出す。
ベットに突っ伏したたまま目の前に差し出されたそれを見て、高耶は顔色を変えた。

「なっ・・・」
「初めて見ますか?いわゆる『大人のおもちゃ』・・興味があるでしょう?」
「冗談っ」

高耶は男がしようとしていることを瞬時に理解すると、男の手から逃れようと
ベットをず りあがろうとした。
だが、一瞬早く男が高耶の腰を押さえ込む。

「逃げないで・・大丈夫だから。貴方ならすぐによくなりますよ」
「やだっ・・」

ぐずる子供のように嫌がる高耶を一旦自分と向き合うように座らせて、その高耶の隣に
腰掛ける。

「少しだけ・・。すぐに入れたりはしませんから・・ね?」

高耶を甘やかす時にいつもするように、
優しく抱き寄せて柔らかい髪に口づける。 しばらくそうやってキスの雨を降らせた後で
再度高耶の瞳を覗き込むようにすると、高耶 はしぶしぶといった感じでようやく頷いた。
直江は高耶の肩を抱き寄せると、脇においやっていたおもちゃを引き寄せ高耶の手に
そっ と握らせる。

「さっきは私も性急すぎました。少しずつ・・慣れましょうね」

そう言われても、最初は恐怖感が勝る。それでも好奇心が頭をもたげていることも事実で ・・
見てみたい・・触ってみたいけど、でも・・
内心焦ってしまい直江が口元にソレを押し当てても、 つい顔を背けてしまった。
直江は一旦それを脇に置くと、緊張を解すように高耶に口づけ、 ゆっくりと舌を絡ませる。
高耶が接吻に夢中になっているのを見計らって唇を離す。
物足りないような喘ぎを漏らす高耶の口に、直江は先程高耶に握らせていたバイブを宛っ た。
高耶は口元に宛われたそれに気づくと嫌がる素振りを見せたが、 直江が許さないのを知ると
あきらめたように舌を絡め始める。

「そう・・もっと舌を使って・・、上手ですよ。ほら、先だけじゃなくて他のところも・ ・」
「っんぅ・・」

頃合いとみたのか直江が高耶の口からバイブを引き出す。
それは高耶の唾液でしっとりと濡れていた。

「これは普通のバイブより細目なんですよ。何故かわかりますか?」

唾液で濡れているせいで照明を反射するそれを高耶の目の前に翳すようにして・・直江は、
高耶に聞いた。
その物体の淫猥さに、高耶は目が離せない。

「これはバック専用なんですよ。慣れてきたら普通のバイブでも大丈夫かもしれませんね」

そう言いながら濡れて光沢を放つソレに舌を這わせた。

「もう一度手と膝をついて。向こうを向いて・・ね」

高耶は不安気な表情で直江をみていたが、覚悟をきめたのかゆっくりと直江に下肢を突き
出すような態勢をとった。

普段は躯の奥深くに隠れている部分がひっそりと空気に曝される感覚に、
高耶の全身が総毛立つ。
直江は顔を寄せて、赤く息づく蕾の周りに直江は舌を這わせていった。
人差し指と中指で入口を広げるようにして、硬く閉じた蕾の奥まで唾液を送り込む。
しばらくその動作を繰り返していると、高耶のソコは自分から蠢き始めた。

「・・・いい子だ。もうすこし足を広げて・・もっと」

高耶は直江に言われるように羞恥を殺して精一杯脚を開いているつもりなのだが、
直江は まだ不満のようだ。
直江は高耶の両膝に手を掛けると左右に思いっきり割開いた。
普段隠されている場所が露わになる。

「やっ!!」

直江は躯を起こすと高耶の躯が閉じられないように膝で片方の脚を押さえ、もう一方の脚
を片手で押さえつける。

「こうしないと入れるときにツライんですよ?」
「なら、そんなの入れなくていい!」

ぐずりだした高耶に直江は苦笑する。
背を伸ばして獣の姿勢の高耶に覆い被さるようにしてなだめるように背中にキスを繰り返 した。
項や首筋を甘噛みして高耶がうっとりと肩の力を抜いたのをみはからってから直江は高耶
に被さったまま持っていたバイブを高耶の蕾に押し込んだ。

「ひっ・・・!!」

異物の挿入に、高耶の躯は緊張する。

充分に濡らされているためか痛みはないが、圧迫感がひどい。内臓を押し上げられるか
のような不快感に高耶の瞳から涙が出た。

「も・・やだっ」
「もう少し力を抜いて・・。すぐによくなるから・・・」

直江はそういいながらバイブをゆっくりと高耶の中に押し込んでいく。
角度のついたそれはずぶずぶと赤い蕾に飲み込まれていった・・・。

「すごい・・・どんどん飲み込んでいきますよ」
「く・・・っっ」

「もっ・・・」
「まだ・・・です」

直江はバイブをゆっくりと・・だが着実に高耶の内部に埋め込んでいく。
途中まで埋め込むと前立腺を刺激するように掴んだバイブを高耶の内部で揺すった。

「ッッひぅ――」

違和感を耐えていたところに更なる圧迫を感じて思わず引腰になる。
直江は高耶の腰を逃さないように捕らえるとさらに手の中のバイブを動かした。
慎重に高耶の内部を探る。
すると今まで圧迫感しか感じなかったモノが別の感覚を伴ってきた。

「――っっ」
「・・・ここ?」
「ぁ・・」
「自分の指と違うからあなたのいいところが上手く把握できない。
ちゃんと言って。・・・ココ?」

言いながら手の中のモノを揺らす。

「っあ―」

耐えきれずに高耶が天を仰ぐ。
反応を見せ始めている前に触れてやると後ろの蕾がきゅっとしまる。
奥へ奥へと引き込むような動きを見せるそこをみて、直江はバイブから手を離した。

「さぁ・・自分で取り込んでご覧なさい」
「なっっ――」

高耶は自分の耳を疑った。

「ほらもっとお尻をあげて。脚を開いて。手は使ってはいけませんよ
これだけ収縮してるんだから、後ろだけでもっと奥まで銜え込めるはず。
その代わり・・・こっちはたっぷりと弄ってあげる」

直江はそういってバイブから手を離すと脇から高耶の屹立したモノを扱きだした。

「まるで山羊の乳しぼりのようですね。絞っているのは確かにミルクですけれど・・・」

くすくす笑いながら右手でゆっくりと扱き、左手で垂れ下がっている袋をもみほぐす。
先端から止めどなくあふれる透明な液体をかき分けて先端の割れ目を虐めてやると
鼻にかかったような声を漏らして、下肢を震わせた。

「ふぁっ・・んぅ」
「ああ、そんなふうに力をいれたらでてきちゃうじゃないですか。
出すんじゃなくて、中 にとりこむんですよ。 こう」

ぐっとバイブの端をもって押し込むように力を込める。

「――ッッッ」

中の硬いモノが柔壁にすられて痛みなのか、快感なのかわからない感覚を高耶にもたらす。
それに流されまいと、躰に力を入れて耐える高耶をみると直江の嗜虐心が煽られた。

「必死になって耐えるなんて・・・そいういうかわいいことをされると・・
男はもっと意地悪したくなるんですよ?」

そういって直江は突然、バイブの付け根にセットされているスイッチをONにした。

「っっっっ―――!!!」

モーター音と主に体内で激しく蠢き出す無機物。
内部から与えられる激しい振動。

「っあぁぁぁぁぁぁぁッッッッ」

その刺激からなんとか逃れようと高耶はベットをずり上がるが、
直江は振動しつづけるバイブを更なる奥へと押しつける。

「や・・・もぅ・・・・やっっ」

涙ながらに哀願しても聞き入れて貰えない。
それどころか、リモコンのようなものを手にとると、 すさまじぃ快感で身動きのとれない
高耶の目の前に持っていき、 ゆっくりと・・見せつけるようにメモリを最大まで押し上げた。

高耶はただそれをみつめることしかできない。
だが・・・それもすぐに不可能になった。




頭が真っ白になって、自分で抜けばいいとか、スイッチをとめればいいとか・・
そういうことは頭の中から吹き飛んでいた。
ただ、ただ・・、内部で蠢くものをどうにかしたくて激しく腰を振る。
途中で何度もイったような気がするが、それすらも定かではなかった。
躰を支えていた両腕が崩れ、直江の前に下肢を突き出すあられもない状態になっても
高耶はそのことを気にする余裕すらない。
下肢が痙攣して何がなんだかわからなくなった頃・・。
ようやく自分を蹂躙していたものが引き出される感覚。

ぐちょぐちょに濡れてなま暖かくなったソレがベット突っ伏す自分の目の前に置かれても
高耶は何も考えられなかった。 あやしく光るそれをぼんやりと見遣る。
ふいにむき出しの蕾に生暖かな感触を感じてぶるっと身震が起きた。

「ああ、紅く腫れてしまいましたね・・。痛くない?」
「や・・もう・・さわ・・んな・・」

尻を突き出す恥ずかしい恰好だとわかってはいても、
それを男が顔を近づけて間近にみられて舌で探られているとわかってはいても、
今の高耶にはその恰好を変化させる気力がなかった。
少しでいいから休みたい。もうしゃべることすら体力を消耗させる――。

うつぶせたまま弱々しい声で言う高耶に直江の男が勢いを増す。
先程の高耶の痴態をみていて限界まで張りつめていたモノが爆発寸前まで高まり、
熱く煮えたぎる。
直江は、うつぶせたままぐったりして、それでもなんとか息を整えようとしている高耶の躰を
強引に反転させると、 両脚を抱え上げ限界まで開かせた。

「なっ・・なおえ?!」

抗議の声をあげようとする高耶の口を自らの唇で塞ぎ、そのまま一気に最奥まで
突き入れる。

「―――!!」

内部は充分に濡れてはいても、一気に突き入れられた衝撃で高耶の躰が痙攣を起こす。
それにもかわず直江はむちゃくちゃに高耶の中を犯し続けた。



何度注ぎ込んだのか、何度達したのかすでにわからなくなったころ・・
自分の背に廻っていた高耶の腕が力無くぱさりと落ちたのに気づいて直江ははっと
われにかえった。

自分の下には・・・目は焦点の合わさらぬまま、唇の端からは透明な唾液を伝わせている
高耶の姿。
おそらくまともな意識はないのだろう。
うち捨てられた人形を思い起こさせる肢体。あちこちに紅い跡を残す躰を無防備に
投げ出す高耶はこの上ない色気を漂わせている。
先程あれほど己を注ぎ込んだばかりだというのに、高耶の中に埋まったままの自身が
再び反応しはじめた。
意識を飛ばしたままの高耶がわずかに呻く。
直江は己の貪欲さに苦笑しつつ、高耶の中から己を引き出した。

高耶の蕾から飲み込みきれなかった自分の精液がどろりと流れ出す。

直江は指を2本そろえて涎を流す高耶の蕾に宛った。
力を込めると蕾は抵抗する気配もみせずにずぶずぶと飲み込まれていく。
中程まで飲み込ませると、直江はそろえていた指をゆっくりと広げる。
その指の間からは白いものがあとからあとから溢れてきた。




高耶の白い内股が己の放ったモノで汚されていく。
高耶を自分で満たしているという暗い独占欲が満たされていくのを感じて・・・。

「貴方だけだ――」

直江はぐったりとしてなすがままの高耶の躰を抱き上げると 額に口付けを落とした。
そうして意識のない高耶と共に浴室へと向かう。




あとには激しい情事の残骸だけが―――



FIN

 


「片目のけもの」紫門さまより、十字屋開店お祝いにいただきました〜!!
ううう。感激!!ありがとうございます〜〜!!(>_<)
そもそもはとあるきっかけでvv紫門さまに「お勉強の成果〜♪」と送りつけたイラストに
紫門さまの小説つきで片目さまにUPしていただいたのです〜♪
で、わたくしがずうずうしくも「ぜひぜひ続きかいてくださーい!!」とおねだりしたところ
開店お祝いにプレゼントしていただいたという・・・うはっ。
わたくしって果報者〜(>_<)紫門さま、ほんとうにありがとうございましたー!!
なほ、その送りつけたイラストにペン入れしてなほへを書き足したものは
この小説とともに片目のけものさまでごらんになれますvば○ぶをイれられているバージョンねv
あああっでもでも、何度読み返してもバイブ初心者の高ちんが初々しいのおぉぉぉう〜〜〜(>_<)
紫門さまっすごい!!
あっタイトルがなかったので(片目さまでは□□□だった…)、勝手につけちゃいましたvvv
すみませんvvvでも □□□のもともとのタイトルは道具だとおっしゃっていたし(汗)。

 

 

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