「んっ・・・んんッ」

しまった、と思っても後の祭りだった。
室内とはいえ、冬の乾燥した空気に触れていた唇はあっというまに湿り、淫靡な音を立てはじめる。
こんなことしている場合じゃないだろ、とかいろいろな言葉が頭をよぎるけれど、
舌を絡め取られ、口腔を思いのままに弄られるとまともな思考がかすんでしまう。
のしかかる身体を押しのけようとする手は、パジャマ越しにもわかるたくましい体躯と熱に感じて
抵抗というよりはすがりつくように布地を掴む。

「ぁ・・・だめだって・・・」
「飯よりおまえが欲しいぜ、拓海・・・」

熱のこもったベッドの中、大きな手で細腰をぐっと抱き寄せられる。
布越しに硬いものをおしつけられて、拓海はかぁっとなった。