いとなみ 2
――ノームの王子の従兄弟は、ブルーの髪のシルフの王子と出会いました。 綺麗で、優しくて、でも時折黒い部分も見え隠れする氷の風の王子様を、 彼は一目で好きになりました。 ところが氷の風の王子は誰にでも優しくて、 特に双子の弟の炎の風の王子には恋人のように愛を囁くので、 彼は気が気ではありません。 それに、従兄弟のノームの王子も大好きですが、 自分は氷の王子ひとすじに想っているのに、 氷の王子はひとすじに自分を想ってくれないところが、 とても悔しくて、悲しくてたまりませんでした。
「ココ、こんなにびしょびしょにして…そんなに気持ちいいかよ?」 「あ…うっ…」 エアは、意地悪く囁きながら、手の中の性器を弄っている。 さっきまでトォルに貫かれて喘いでいたシルフは、今は完全に雄の顔をしている。 だがその目元や吐息、細身ながらしっかりと筋肉がついた身体全体から色香がにじみ出ていて、 トォルの身体はますます感じやすくなってしまう。 奥に長い指を差し入れられて、女みたいな声を上げるのは嫌だと思うのに、 さんざん甘ったるい声を上げて、エアを喜ばせてしまう。 「トォル…もう、入れるぞ…」 欲望に掠れた声でエアがいい、トォルも赤い顔をして頷いた。 だがゆっくりと、エアの熱が入ってきた直後。 そのエアからふいに甘い喘ぎ声が聞こえた。 びっくりして見上げると、ピンクの髪のシルフは、さっき喘いでいた時のようないやらしい顔をして、 身体を固くしていた。 「兄貴…何やって…」 「ああごめん、がんばってトォルを抱いているきみがかわいくて、つい」 続けていいよ、とアクアブルーの髪のシルフは、ピアスがついていないエアの右耳をねっとりと舐めながら、 エアの中にねじ込んだ己をゆっくりと動かした。 「ばっ…ぁっ…」 肉棒の動きに感じてしまって、トォルに差し込んだエアの欲望も大きく脈打った。 後ろから突いてくるジルの動きにあわせて腰を動かすと、エアの下でトォルが切なげな声を上げた。 「ジルッ…」 ひとり放り出されて涙目になるニィルの頬を、ジルは腰を動かしながら愛おしげに撫でた。 「ニィルにもまたしてあげるから。その間、トォルに舐めてもらうといい。きっとすごく気持ちいいと思うよ」 どうしても嫌なら僕が舐めてあげるけど、と小さな唇に口づけると、 ニィルは官能的な口づけをうっとりと堪能し、それから少し迷った後、 ジルに言われてバックから突かれることになったトォルの前に、脚を広げ、後ろ手をついて座り込んだ。 「ニィル…」 大好きな従兄弟のいやらしい姿にトォルはごくりと唾を飲み込み、 小ぶりながらもしっかりと立ち上がった、精液まみれの性器を口いっぱいに咥えこんだ。 「あぁんっ」 ニィルは小さな身体をのけぞらせて、かわいい声を上げた。 ずっと好きだった子のエキスを夢中で舐めとりながら、トォルは自分の中のエアを締め付ける。 エアはそんなトォルに体重をかけないように両手を絨毯につきながら、腰の動きを速めていく。 「しながらされるのはどんな気分?」 エアの動きにあわせて腰を動かしながら、ジルは官能に濡れた声で囁く。 今までにない感覚だった。 挿入して、締め付けられる快感と、挿入されて、擦りたてられる快感を同時に味わう。 「あっ…へんになる…っ」 よすぎて、気が変になりそうだ。白い背中に滝のように落ちるクランベリー色の髪を乱して喘ぐエアに、 ジルはもっとよくしてあげる、とピンク色の二つの乳首をぎゅっとつまんだ。 「ああんっ…だめ…っ」 エアは感じ入った声を上げながら、淫らに腰を動かす。 その動きと、ニィルの口への射精で、トォルも達し、その後に、エアも甘い悲鳴を上げながら、 トォルの中に精を吐き出した。 ぐったりしてトォルにのしかかりそうになったエアを引き戻して、 ジルはエアの片脚を肩に乗せた。 互いのすらりとした白い脚が交差する体勢で、深く大胆につながり合う。 「あっ、あんっ、あんっ…」 激しく奥を突かれながら、エアは夕暮れ色の瞳から涙をこぼしながら、恍惚とした表情で喘いでいた。 ジルはそんな弟を、愛おしげに見つめている。 複雑な体位で絡み合う美しい双子の兄弟に、二人のノームはぼうっと見とれていた。 でもそのうちに身体が熱くなって、トォルはニィルの身体を抱きしめた。 時々体勢を変えて行為にふける双子に煽られるように、二人のノームも互いを慰めあった。
それから相手を変えて、さんざん行為にふけった後。 ジルは何事もなかったように制服を着て、気を失うように眠ってしまったニィルを部屋に連れて戻る、 と言って、エアに甘い口づけを残し、先に部屋を出て行った。 エアとトォルは服を着る気力もなく、汗と精液でべたべたになった身体で、だらしなく赤い絨毯に転がっていた。 「…おまえたち、すげー格好でしてんのな」 裸で寝そべりながら、ぼうっとトォルの蜂蜜色の髪をいじっていたエアは、 やや間を置いてから、ああ、と言った。 どうやら思考がまともに働いていないらしい。 「体位のことか?こんどお前にもやってやろうか」 「え、できんの?」 艶めかしく絡み合う双子の様子を見て、身長差がある自分とでは一生無理だ、と思った。 ところが、エアはこともなげに、できんだろ、と言う。 「まあやってみなきゃわかんねえけどな…ただし、筋肉痛は覚悟しとけよ」 目元を赤く染め、天井の方を向きながらぼそりと言うピンクの髪のシルフに、トォルは嬉しくなって抱きつき、 すでに身体がぎしぎしいっているエアは呻き声をあげた。
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