いとなみ




――ノームの王子は、ピンクの髪のシルフの王子と出会いました。

ぶっきらぼうで、意地悪で、でも不器用で寂しがり屋のシルフの王子を、

ノームの王子はいつのまにか好きになっていました。

けれども彼は従兄弟のニィルも大好きで、

おまけにシルフの王子は双子の兄と恋仲ののように仲良しでした。

ノームの王子はニィルがシルフの兄王子と仲良くするのを見ては寂しくなり、

シルフの弟王子が兄王子を見つめているのを見ては悲しくなりました




壁から絨毯からシャンデリアまで、何もかもが赤い地下の小部屋、『ラ・シャンブル・ルージュ』。

ここはエアの隠れ家であり、

エアとジルの密会の場所であり、

そして最近では、ニィルとトォルのお宝置き場であった。

しかしここの鍵はエアが持っている。

「…兄貴、カギかけなかったのかよ」

エアは後から入ってきたはずのジルを責めるように睨んだ。

だが恥知らずな兄は、弟の非難にすまなそうな表情をするでもなく、

「別にかまわないだろう?兄弟同士のスキンシップを見られるくらい」

魅力的に微笑んだ。

そして、あまりの光景に真っ赤になって固まっていたニィルが、泣いて怒りだす前に、その笑顔を彼に向け、

「おいで。ニィルにもしてあげるよ」

手を差し伸べてそう誘った。

ふらふらと引き寄せられてきたニィルを両腕で抱き留め、服を脱がせながら熱烈なキスを交わすジルから

つんと顔をそむけて、エアは決まり悪そうに、赤い照明のせいで普段より赤く見える髪をかきあげた。

「…お前も突っ立ってないで来いよ、トォル」

ついさっきまで、兄と繋がっていた身体で恋人を誘った。

シルフ特有の透き通るような肌には、赤い痕が点々と散っている。

ピンク色の乳首はつんと尖っていて、下腹や内腿は、放ったばかりの精液で濡れていた。

ぶっきらぼうだが、情交の色香を色濃く放つシルフの誘いに、トォルもまた、ふらふらと吸い寄せられた。

すぐに手が伸びてきて、激しく口づけされながら、トォルもまた脱がされる。

裸に向かれ、身体じゅうを唇と手で愛撫し、小ぶりながら、腹につくほどいきり立った性器を口に含もうとすると、

なぜかトォルは抵抗した。

「何だよ」

「エア…あの、さ」

トォルはらしくなく赤くなって、もじもじしていた。

「今日は俺が、してみたい…」

「何だって?」

エアが首を傾げると、隣でニィルを組み敷いているジルがくすりと笑った。

「きみを組み敷いて、鳴かせたいってことだろう」

それを聞いた途端、エアの顔は赤い照明の下でもはっきりとわかるくらい、赤く染まった。

「…俺じゃ、嫌か?」

トォルの顔も、負けずに赤くなっている。ただ、断られると思っているのか、ずいぶん必死で、

今にも泣きそうな顔をしていた。

「…いいぜ」

「え?」

ぽつりと言うと、トォルは驚いた顔で聞き返した。

エアは自分から体勢を入れ替え、自分は仰向けに転がって、腹の上にトォルを乗せた。

「べつに嫌じゃねえよ…来な」

「エア…!」

涙は一瞬でうれし涙に変わり、トォルはエアにかじりついた。されるがままに、エアは貪るようなキスに応える。

蕩けるようなキスの後、柔らかい唇と小さな手は、エアの感じる場所を順番にたどって行き、

敏感な身体は次第に熱を上げていった。隣にジルとニィルがいるのに

――いや、二人の視線を感じるから余計に、トォルの愛撫に感じてしまって、淫らな声を上げてしまう。

ぬかるんだ入り口に細い指が入ってきた時には、はしたなく腰を揺らしてしまった。

「エア…もう、入れていい…?」

興奮で息を弾ませたトォルが聞いてくるのに、こくりと頷くと、トォルは小さな両手でエアの脚を開いて、入ってきた。

「あ…あっ…」

トォルのものを受け入れている感覚に、エアは恍惚となった。その顔を、トォルは食い入るように見つめている。

エアを見つめながら、トォルは憑かれたように突き出した。

「あっ、あんっ…」

突かれる度にエアは嬌声を上げ、トォルを締め付けた。たとえ奥まで届かなくても、

小柄な身体に見あった大きさのものでも、それがトォルのものだというだけで興奮した。

むしろ、普段は自分が組み敷いてかわいがっているノームに責めたてられているという、倒錯めいた快感もあった。

一方、貫かれたことはあっても貫くのは初めてのトォルは、エアのいつになく艶めかしい表情や声と、

精を搾り取るような内部の動きに、そう長くはもたなかった。

「あっ…エア…エア…ッ」

切羽詰まった声で名前を呼びながら、トォルは中で果てた。

二人は息を切らしながら、繋がったままぐったりと抱き合った。

「あ…悪い…お前のがまだ…」

まだ荒い息をつきながら、達けなかったエアの分身に触れようとしたとき、トォルの身体は反転した。

滝のように流れるクランベリー色の髪が、甘いベリーの香りを漂わせてトォルのふっくらとした頬に触れる。

「次は俺の番だな」

見下ろす夕暮れ色の瞳には、炎が灯っていた。

待ったをかける間もなく、息も荒いまま唇を塞がれる。

隣でニィルが甘い声で喘いでいるのを聞きながら、トォルも情熱的な愛撫に嬌声を上げた。


(ジルエア)← →(ジルエアトォルニィルの4Pでエアトォル
修羅場なかった;
しかもいつの間にかトォルエアに…やりたい放題
;;



妖精部屋