おしおきジル編その2
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野外授業を欠席したエアとトォルは、翌日、星見の塔でルゲイエ先生の補習授業を受けることになった。 陽が沈み、庭のあちこちで灯火草の花がともり始める頃、ジルとニィルは彼らの様子を見に、 星見の塔へ向かった。 十中八九、寝ている確信はあったが―― 二人が見たものは、ベッドでルゲイエに抱きつき、脚を絡ませて寝ているエアと、 なぜか床に転がっていびきをかいているトォルの姿だった。
「だから、何で俺だけなんだよっ…」 ジルはトォルとニィルを先に部屋へ帰し、二人は再び、昨日と同じ赤い部屋にいた。 「昨日のお仕置きが、きみに全く効いていないみたいだから」 無表情に蝋燭の火で長い針をあぶりながら、そっけなく答えるジルの様子に、 全裸でソファに座らされたエアは、怯えた表情で腰をずらした。 みずみずしい肌が冷たい皮を擦った拍子に、キュッと乾いた音を立てる。 「僕たちのピアスは、生まれて間もない頃にじいやが開けたらしいけれど、 できることなら、きみのは僕が開けたかった、といつも思ってたんだ」 火であぶった針を持って近づいてくるジルに、エアは真っ青な顔をして首を振った。 エアの左耳のピアスが、しゃらしゃらと涼やかな音を立てる。 しかし後じさろうにも、ソファの背にぶつかってもう逃げ場がない。 もうこれ以上ピアスの穴なんかいらない、と言おうとしたエアは、ジルの形のよい手が、 優雅にエアの性器を手に取ったのを見て絶句した。 「まさか…兄貴…やめ…」 「暴れると、怪我するよ」 縮こまった先端に容赦なく針を突き刺され、エアの絶叫が礼拝堂の地下に響いた。
いっそ、失神できれば幸せだった。 恥も外聞もなく泣き叫んで許しを請うエアをたしなめながら、ジルは性器の先端と、 両方の乳首に穴を開け、消毒を済ませた後で、三つの金のリング状のピアスをそれぞれの穴に装着した。 「もう痛いのは終わりだよ、泣き虫エアリエル。ピアスの穴はすぐにふさがるし、 きみがきちんとルゲイエ先生の授業を受けるなら、二度とこんな痛いことはしないから」 でも明日の授業が終わるまでは外したらいけないよ。 ジルはエアの顔にはりついたピンクの髪を優しくかきあげると、泣きぬれた頬に、瞼に、 そして涙の味がする唇に口づけた。 「ジル…」 いたわるような優しい言葉と口づけに、エアが涙で濡れた目でジルを見上げた。 「痛いのなんか忘れるくらい、うんと気持ちよくしてあげる」 ミントキャンディ色の瞳で柔らかく微笑むと、ジルは形のよい唇に深く口づけながら、 弟の乳首につけたばかりの、金の輪飾りを軽く引っ張った。
子供時代の二人の耳にもピアスがついていたので、
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