おしおきジル編その2




ひとり、枕を抱いてベッドに横たわりながら、エアは先刻までの情交をぼんやりと思い返した。

ただ追い上げられた身体を鎮めるためだけの、忙しない行為。

昨日穴を開けられた、乳首も先端も、

そしてジルを受け入れていた身体の奥も、まだ甘く疼いている。

もうピアスは外されたから、ジルに与えられたこの痛みも傷も、すぐにふさがって、消えてしまうのだろう。

あんなものをつけられるのは金輪際ごめんだと思うのに、今はそれがないことが、すごく寂しいように思えた。





「あっエア、今までどこに行ってたんだよ。探したんだぞ!」

寮のベッドでぐったりと突っ伏してるエアを発見して、

トォルは水揚げされた人魚のようのびている身体をぐらぐらと揺さぶった。

ルゲイエの授業ではいつも寝てしまうトォルは、当然、授業中にエアが泣いていたことは知らかったのだが。

「その、ニィルから聞いたけど、お前授業中具合悪かったんだって?

お宝探し、今夜はやめとくか?ジルとはまた今度一緒に行けばいいし」

そう言いながら、トォルは自分でも知らないうちに涙目になっていた。

どうせエアはジルの方が好きなのだ。

自分には勝手に行けと言うくせに、ジルが行くとなったら急に嬉しそうな顔をするような奴だ。

そんなトォルにすらりとした腕が伸びてきて、小柄なノームは易々とベッドに沈められた。

ピンクの滝のような髪が頬にかかり、甘いベリーの香りが鼻腔をくすぐった、と思った時には、

トォルは深く口づけられていた。

甘く、蕩けそうなキス。口の中を深くまさぐられて、何も考えられなくなってしまう。

「さ、行こうぜ。お宝探し」

いつも以上に妖艶さを纏った炎の風のシルフは、ピンクの髪を気だるげにかきあげて、そう言った。







トォルの前ではかっこつけながら、でもやっぱり痛いのは嫌だ、と思うエアたんなのでした…。

妖精部屋