おしおきジル編その2
3
講義が終わるなり、ぐっすりと眠りこけているトォルを放って駆け寄ってきたニィルを、ジルは上手くあしらい、 席から立ち上がることすらできずにいるエアを横抱きにして、近くのトイレに連れていった。 二人が入っても十分な広さの個室で、エアを蓋の閉じた便座の上に座らせると、 シャツやズボンをくつろげて、エアを苛んでいたピアスと、根元を縛っていた蜘蛛の糸を外した。 「本当はずっとつけさせたいけど、きみはもう、僕だけのものじゃないからね」 外したピアスと鎖を胸ポケットにしまうと、ジルは寂しそうに笑った。 こんなものをずっとつけられるなど、想像するだけでぞっとするが、 最愛の兄のそんな表情を見たら、エアまで、戒めがなくなったことを寂しく思ってしまう。 寂しさを埋め合わせるように口づけを繰り返しているうちに、すっかり離れがたくなってしまった。 「…エア、もうそろそろ行かないと」 ジルがそう言いだすのはわかっていた。トイレに連れ込んだのは、 ただピアスと蜘蛛の糸を外してやるためだけだったのだろう。 だが、エアはすがりついたジルの腕を離さなかった。 「ここで、したい」 夕暮れ色の瞳を熱っぽく潤ませて、すがるように見上げるエアの言葉に、ジルは驚いたように目を見開いた。
本気でこんなところでするのかい?他にいくらでも部屋はあるのに?と尋ねるジルに、 エアはここでいい、と言い張った。もう一秒だって我慢ができない。今すぐジルが欲しかった。 駄々っ子のようなエアにジルは小さく笑うと、じゃあズボンと下着を降ろしてお尻をこちらに向けて、 と促した。 ムードも何もない、ただするためだけの即物的な指示に、エアは一瞬戸惑ったが、 すぐに立ち上がってズボンと下着を足元まで引きおろし、便座の蓋に手をついて、 小さく締まった白い尻をジルに向けた。 「あっ…」 すぐに美しい形の指が奥に潜り込んでくる。 昨夜さんざんほぐされ、広げられたそこは、潤滑剤がなくても難なくジルの指を受け入れ、 締め付ける。 「いやらしい身体だね。こんなに指を締め付けて」 無造作にぐちゅぐちゅとかき回されて、エアはもうたまらない。 「あんっ…兄貴…早くっ…」 喘ぎながらねだると、指が引き抜かれ、待ち焦がれていたジルの昂ぶりが秘奥を割り開いた。 「アッ――」 その時、賑やかな話し声と共に、外の扉が開く音がした。 個室のすぐ外で、とりとめもない話をしながら用を足す生徒たちの気配を感じながら、 エアは喉まで出かかった嬌声を必死にかみ殺した。 全身をこわばらせ、目をぎゅっと閉じて、彼らが出て行くのを待つ。 その時、中のジルが動いた。 「ぁっ…!」 思わず漏れた声に全身からどっと汗が出る。話し声が止み、エアたちいる個室を注視している気がした。 そんな状況でも、ジルは動くのをやめない。 声を殺しても、繋がっている部分からいやらしい水音が聞こえてしまう気がして、 エアは羞恥で消え入りたい気分だった。 繋がっている部分をやけに意識してしまって、見つかったら大変なことになるのに、 そこを擦られるのはすごく気持ちよくて。 やがて扉があく音がして、彼らが出て行ったらしいと悟った時には、脚の力が抜けて、 そのままくずおれそうになった。 だが、両乳首を強く抓られて、エアは今度こそあられもない声を上げた。 「もし彼らに見つかったらって思って、感じてただろう。悪い子だ」 心の中を見透かすようにジルは言い、ピアスがついていない右の耳たぶを噛んだ。 そして今度は容赦なく奥まで突かれて、エアは声を押さえる余裕もなく、甘い声を上げ続けた。
トイレエッチもべたですがやってみたかった。
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