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何がまずかったのかわからなかった。別に優しい慰めの言葉を期待していたわけではない。 「あ・・・の、ごめんなさい・・・」 初対面の人間にする話ではなかったかもしれない。おそるおそる声をかけると、 「なぜあやまるんです?」 ぞっとするほど冷たい声だった。返す言葉も忘れて息をのむ由比子を、声と同じくらい 「あなたは何もあやまることなどありませんよ。私にも、彼にもね。 この男は知らないのだ。 ――人殺し! そう叫んだ時。彼は一瞬、傷ついた瞳をしていた。 ・ ・ 守り袋の中身は見たかと聞かれて、由比子はうなずいた。 「あれは、彼の妹さんの形見です。そう――生きていればちょうどあなたくらいの年かも 直江の言葉に、由比子は呆然と目を見開いた。目の前のこの人物が高耶と知り合いだった。 「彼は自分が一人だけ生き残ったことにずっと罪の意識を持ち続けている。 妹への罪滅ぼし――
「・・・すみません。言い過ぎました」 黙ったまま、ぱたぱたと涙を落とす由比子に、直江はようやく穏やかな声で謝罪した。 「あなたはとても怖い目に遭った。落ち着いたら、あなたの国にお帰りなさい。 言うなり立ち上がると、泣いている由比子を一瞥し、長衣の裾を翻して去っていった。
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直江、おとな気ないです。
いくら自分が高耶さんに優しくしてもらえないからって自業自得なのに;
高耶さんが知ったらさぞ激怒することでしょう;;言わないでしょうが。