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直江の行動は素早かった。今は会見中だという従者の言葉を振り切って、ほとんど乱入に だが、何と言っても今は中東会議の真っ最中だ。他国が侵略してきたとでもいうなら話は 「何もしないとは言っておらん。アラーのご加護があれば君の友人も助かるはずだ」 自分こそが死んでしまいそうな表情で噛み付く直江に、ムハンマドは額に手を当ててため息を 「武田大使の話によると、イギリス人ということだが――ウバール国王である貴殿が、なぜそこまで 何かあるのか、と目を光らせるムハンマドの前で、直江は苦しげに顔を歪めた。 「彼は――私の庭です」 搾り出すような声だった。 「私にとって、この世でたったひとりのひとです」 まるで懺悔のように告げて、口をつぐんだ直江を、ムハンマドはしばし不思議なものを見るような目で 「庭か」 やがて、ぽつりとつぶやく。 「それならば、何としても守らねばな」 思いのほか真摯な声に、直江は顔を上げた。ムハンマドは深い目でじっと直江を見つめ、 「・・・リヤドにいる軍は動かせん。ジェッダの精鋭部隊を出そう。 願ってもない。声もなく見つめる直江に、ムハンマドは軽く咳払いをして付け加えた。 「このことは貸しにするぞ」 直江は胸に手を当て、万感をこめて礼をした。 「感謝します――!」
あわただしく出て行くウバール国王の姿を、ムハンマドはため息と共に見送った。 「会議も欠席するつもりか・・・どうなっても知らんぞ」 だが完全に理性を失った彼はなかなか見ものではあった。 「陛下、イギリスの首相から緊急のお電話が」 初めは日本大使。次にウバール国王。その次には――
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直江、恥ずかしい・・・。
いやそれよりウバール国民にはなりたくねー…(^^;)