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懐かしい道を辿っていた。 ドウンッ! 地面を揺るがす爆音と共に、家が吹っ飛ぶ。高耶は駆け寄った。 ――父さん!母さん!美弥!! 無我夢中でかけより、妹を抱き上げる。だがすでにこときれている小さな身体は ――いやだ・・・ぁぁ・・・ッ おいていかないでくれ。オレを一人にしないでくれと泣きながら懇願した。 ――おにいちゃんが殺したんだよ。 見ると、腕の中の美弥が目を開いて、高耶を見ていた。 ――おにいちゃんが美弥たちを殺したんだよ。このひとたちも、みんな。 いつのまにか、高耶のまわりにはたくさんの死体が転がっていた。 ――人殺し! 10歳だった美弥が血まみれのまま、由比子の姿になって断罪する。 赤い瞳は高耶の眼前に広がり、やがて高耶を飲み込もうとしていた。
「・・・ッ」 爪が剥がれる痛みに正気に戻った。無意識に拳を握り締めていたらしい。 ある程度の薬には慣れている高耶だったが、この薬はやはり、ただの麻薬ではない。 家族を失ったあの時。高耶が戻ったときにはすでに爆破された後だったし、家族の死体も そして今も、目の前で、大きな赤い目が、じっと高耶を凝視している。 (まだ死ねない) かっと見開いた目に力を込める。伸びた爪を別の指の腹にかけ、思い切り引いた。 「ァ――ッ」 メリッと音を立てて、爪が剥がれる。脳天を突き抜ける痛みと共に、思考がクリアになった。 再び悪夢に引きずり込まれそうになる意識を保つために、むき出しになった肉に爪を立てた。
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直江、愛されてないなあ・・・(^^;)