固い蕾が いつしか花開くように
胡瓜´ by きょうこ
「ふう・・・」 瀬那はひととおり洗い物を終えると、ちらりとバスルームに目をやり、溜息をついた。
バスルームからはまだ水音が聞こえている。 (今日の僕は、なんだか変だ) 進のいない間にあんなことをしていたせいだろうか。 ガチャリとバスルームのドアが開く音がした。 (し、進さん疲れてるんだし) 今夜はもう寝かせてあげないとダメだ。今にも暴走しそうな身体の熱を散らそうと、瀬那はシンクの淵をぎゅっと握り締め、ぶるぶると首を振った。 「小早川?」 まだ洗っているのかと、進が髪をバスタオルで無造作に拭きながら、キッチンをのぞきにきた。シャワーを浴びたばかりで暑いのか、下だけパジャマを着て、上半身は裸だ。ぬぐいきれていない髪の毛から落ちるしずくが、鍛え抜かれた胸筋の谷間を伝う。あのたくましい身体が自分に覆いかぶさっていたのだ・・・と思い出しかけて、瀬那はうっすらと頬を赤く染め、進の身体から無理やり目をそらすと、「僕もはいってきますね」と進の横をすり抜けていった。
いつもより時間をかけてシャワーを浴びて、暴れだしそうになる下腹の熱をなんとか鎮めて。 「し、進さんっ・・・今日はもう・・・っ」 反論の言葉は唇で塞がれた。舌を絡められ吸うようにされたら、もう抵抗できなかった。先刻すでに何度もしたというのに、唇は飢えているように進の唇を求め、あさましい下肢は、わき腹から胸をまさぐっている進の無骨な手に触れて欲しくて、びくびくと脈打っている。唇で、手で、進に触れられている・・・耳たぶを甘噛みしながらため息のように漏れる進の吐息も、すべてが瀬那の脳内を甘くしびれさせた。 「おくちで・・・したい・・・」 自身を手で弄ばれながら、瀬那はうるんだ目で哀願する。進の熱い肉棒を口いっぱいにほおばりたい。喉の奥まで入れられるのは苦しいけれど、今夜はどんなことでもできそうだった。 「ど・・・どうして・・・」 それにこれくらいの長さの方が、お前が咥えるにはちょうどいいだろう、と進は小さく笑った。 「以前、スーパーでこれを見たとき、お前がなぜ赤くなったのかわからなかったが・・・今日のお前を見ていてわかった」 何かを言おうにも、口腔いっぱいに大胡瓜を抜き差しされていて何もいえない。 「約束を守らなかったお仕置きをしないとな」
「あんっ・・・あんっ・・・」 さんざんじらされた挙句に、待ちわびていた後肛にやっと挿入が許された。 「進さん・・・進さん・・・ごめんなさい・・・進さんのをいれて・・・っ」 もうゆるして、と泣きながら懇願すると、進はようやく瀬那の手から大胡瓜を取り上げ、代わりに猛った自身を突き入れた。 「ア――アアアッ」 焼けた鉄のような熱さだった。大胡瓜とかわらない大きさと太さのはずなのに、それは瀬那の一部であるかのようにしっくりとなじみ、空虚だった瀬那の内部をいっぱいに満たした。ようやく求めていたものを与えられてほっとする間もなく、進が膝裏をしっかりと掴んで激しく突きはじめる。 「アンッ、アンッ、アンッ、アンッ!」 熱をもった場所をさらに激しく擦りたてられ、瀬那はもう何も考えられなくなる。 「あんっ、あんっ、もっとぉ・・・!」 いつも以上に乱れる瀬那の嬌態に、進はぎりりと歯を食いしばって絶頂をやり過ごす。 進は瀬那の身体をうつぶせに返すと、尻だけを突き出させ、獣の体勢で貫いた。 「も・・・だめぇっ・・・進さん・・・ッ」 進が名前を呼んだ瞬間、それに応えるように内壁が進自身をきゅぅっと締め上げて。
「進さん、こんなところにいたんで・・・」 次の週末。再びスーパーに二人で買い物に行った時のこと。 (もう当分キュウリは食べられないよー・・・) 恨めしげに進を見ると、彼は大胡瓜の隣に並んでいるゴーヤを手にとってしげしげと眺めていた。 「・・・進さん、まさか・・・」 変なこと考えてないでしょうね、とばかりに睨むと、進はそしらぬ顔で、 「今夜はゴーヤチャンプルにしないか?」 と聞いてきたのだった。
うっ・・・すみません。ごんぞうさまの作品を汚してしまいましたっ;; |