緋襦袢で四十八手


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. 二つ巴(ふたつどもえ)




鴆が柱を背にして立ち、膝立ちになったリクオは促されるままに、目の前に突き出された昂ぶりを口いっぱいに頬張った。

教えられたとおりに舌を這わせれば、大きな手がねぎらうように髪を撫でた。

「すげーいいぜ、リクオ…そのままこっちを見ろよ…」

少し掠れた声に応じて目だけを上げれば、熱を湛えた緑の目とかちあった。

本当は男に奉仕しているところなど見られたくないのに、目を逸らすたびにこっちを見ろと促される。

癪に触って睨みつけてやったら、鴆の欲望を露わにした瞳が絡みつくようにリクオを捉えて。

意外に余裕のない表情に、自分がこいつにこんな表情をさせているんだと思えば、鼓動が高鳴った。

鴆の舌遣いを思い出しながら、裏筋やくびれを擦り、茎全体に舌を絡め、口全体をすぼめて強く吸う。

鴆が息を詰めるのを見てほくそ笑んだ。

だがいつまでもリクオに主導権を握らせておく男でもない。

「腰が揺れてるぜ…欲しいのか?」

指摘されて、リクオは雄を頬張ったまま、顔を熱くした。

雄々しく脈打つ肉棒に舌を這わせているうちに、勝手に自分の分身も脈打ち、後口までもが疼き出している。

今にも襦袢の裾をかき分け、自分の手を添えてしまいそうだった。

鴆は絹糸のような銀糸をもう一度撫でると、リクオの顔を離させた。

リクオの唾液で濡れた分身は、はちきれそうにそそり立っている。

「あんたの顔が見られないのが残念だが…一緒に気持ち良くなろうぜ」

オレの上に跨れ、違う逆、と指示されながらも、褥に寝そべった鴆の上に脚の方を向いて跨り、

己の唾液で濡れた鴆自身を再び咥えた。

その時。

「んんっ…!」

放置されたまま、痛いほど張りつめたリクオ自身を下にいる鴆に咥えられて、リクオはくぐもった悲鳴を上げた。

思わず軽く歯を立ててしまい、鴆にも仕返しとばかりに同じことをされる。

抗議する間も与えられずに愛撫を与えられて、リクオはもう何も考えられずに、ひたすら口の中の分身に舌を絡めた。

(なんだこれ…こんなの知らねえ…)

こんな快感は知らない。

慰めるのも慰められるのも気持ちよすぎて、今にも意識が飛びそうだった。

鴆は赤い襦袢の裾を割り、内腿の感触を愉しむように乾いた掌で撫で上げながら、リクオ自身に舌を這わせている。

鴆の口の中でリクオの分身は今にもはじけそうに脈打ち、腰がに揺れた。

未だに触れられていない秘孔までもが、愛撫を欲しがってひくひくと蠢いていた。

「んうっ…!」

突然、冷たいぬめりをまとった指が侵入してきて、リクオはまた歯を立てそうになった。

鴆はリクオを口で愛しながら、いつもよりやや無遠慮に、指で内部をかき回している。

もはや、自分がどんな格好で鴆に跨っているかなど、考える余裕もなかった。

前と後ろを同時に弄られたら、リクオはもう奉仕どころではない。

たまらず鴆から口を離し、訴えた。

「やっ…そんなにされたら…もう…ぁっ…」

言い終わらぬうちに、鴆の口の中ではじけてしまう。

粗相をしてしまったかのような羞恥と快感に頬が燃える。

搾り取るように精を飲み干され、気が遠くなりそうになりながらも、リクオは再び鴆のものを咥えた。

「おい…」

オレのはいいって、という鴆の制止も聞かず、根元を手で扱きながら、口をすぼめて何度も雄を強く吸った。

無心に舌と指を絡めていたら、そのうち鴆も腰を動かし始めて、

やがて低い呻き声と共にリクオ、と呼んで、リクオの口の中で果てた。

どろりとした濃い液体が、口の奥に注ぎ込まれる。

鴆がいつもしているように、先端に舌を差し入れて残りの滴まで舐めとっていると、身体を返された。

「まったく、あんたって人は…」

向かい合わせに抱きこまれ、口づけられる。

互いの精液の味に、どちらも顔を顰め、それを見てどちらともなく、くすりと笑った。

擦れ合った二人の欲望は、達したばかりだというのに、まだ熱く脈打っていた。




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2月3-4日にbotに投下した恵方巻きツイートの詳細みたいな;
リクオ様よりの視点だと緋襦袢の描写があまりできないです…ううむ。



裏越前屋