緋襦袢で四十八手


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. 押し車(おしぐるま)




言われるままに褥に両手をつけば、赤い襦袢の裾を腰までめくりあげられ、露わになった両脚を持ち上げられて、

背後から挿入されてしまった。

「何だよこの体勢っ…」

両手には体重がかかり、しかも持ち上げられた両脚はぴんと伸ばしたまま下すこともできず、かなり苦しい。

ところが鴆は上機嫌だ。

「なかなかいいだろこれ。移動もできるんだぜ」

能天気な言葉に殺意を覚えたが、繋がったまま前に歩かれると、リクオも体勢を保つために前に這わざるを得ない。

しまいには、何ならこれで風呂まで行ってみるか?などと言い出したので、

殺気をこめて振り返ってやったら、鴆は顔をひきつらせて押し黙った。

こんな姿で廊下を這って、誰かに見られた時にはその場で死ねる。

「んな怒るなって…この体勢気持ちいいだろ?中のオレをきゅうきゅうと締め付けてきやがる」

そういいながら抜き差しされれば、喉の奥から恥ずかしい声が出てしまった。

不安定な体勢で下腹に力が入るから、つい中にいる鴆を締め付けて、いつも以上にこの男を感じてしまう。

「てめ…後で覚えてろっ…」

我ながら締まらない捨て台詞だが、とりあえず後で絶対殴ると決心して、

苦しい体勢からの容赦ない突き上げに、抗いようもなく嬌声を上げた。




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きっと翌日、鴆さんは頭にたんこぶ作った上に、腕がひどい筋肉痛になってる…



裏越前屋