くりすます
4 もう一回、とねだってくるリクオをなだめて、 鴆はプレゼントを渡した。 赤地に緑のクリスマス模様の包みには、白のカシミヤの長めのマフラーが入っていた。 去年あげたものとよく似たマフラーを手にしたまま、目を丸くしているリクオに、 芸がなくてすまねえが、と鴆は前置きした。 「去年やったやつは、雷電とかいう奴に食われちまったんだろ? 違う色にしようかとも思ったんだが、あんた落ち込んでたから、あれが気に入ってくれてたのかと思」 「鴆ッ!!」 最後まで言い終わらないうちに、視界がぐるりと回った。 リクオに飛びかかられ、乱暴に押し倒されたのだとわかった時には、もう酸欠になるような口付けをされていた。 「ったく、おめーってやつは…ちくしょー、大好きだッ!」 「〜〜〜〜〜〜っ!」 汗がひいて一度熱が静まった身体は、瞬く間に煽られた。
冬の夜は長い。 中にいる肉棒から精を絞りだそうと、繰り返し締め付けてくるリクオの奥を突く度に、 鴆は顎からぽたぽたと汗を滴らせ、その精悍な顔には疲労の色が色濃く出ていた。 「くっ…リクオ…頼むから、もう寝てくれっ…」 だがリクオは仰のいて、うっとりと上気した表情で揺さぶられながら、自らも腰を動かすことをやめない。 「あっ、ん…何いってんだよ、まだこれからだろ…」 なあ、今度はあの体勢でやろうぜ。ほらあの、立ったままお前がオレを抱きかかえてやるやつ。 「勘弁してくれ…死ぬ…」 鴆は消え入りそうな声で呟きながら、年若な恋人の要望に応えるべく、 ぎしぎしと悲鳴を上げる身体を起こして、自分よりも重い身体を抱きあげた。
腰を痛めて寝込む鴆に、クリスマスプレゼントの電気毛布を無言で掛け直してやる、リクオの姿があった。 |
||