くりすます

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もう一回、とねだってくるリクオをなだめて、

鴆はプレゼントを渡した。

赤地に緑のクリスマス模様の包みには、白のカシミヤの長めのマフラーが入っていた。

去年あげたものとよく似たマフラーを手にしたまま、目を丸くしているリクオに、

芸がなくてすまねえが、と鴆は前置きした。

「去年やったやつは、雷電とかいう奴に食われちまったんだろ?

違う色にしようかとも思ったんだが、あんた落ち込んでたから、あれが気に入ってくれてたのかと思」

「鴆ッ!!」

最後まで言い終わらないうちに、視界がぐるりと回った。

リクオに飛びかかられ、乱暴に押し倒されたのだとわかった時には、もう酸欠になるような口付けをされていた。

「ったく、おめーってやつは…ちくしょー、大好きだッ!」

「〜〜〜〜〜〜っ!」

汗がひいて一度熱が静まった身体は、瞬く間に煽られた。




冬の夜は長い。

中にいる肉棒から精を絞りだそうと、繰り返し締め付けてくるリクオの奥を突く度に、

鴆は顎からぽたぽたと汗を滴らせ、その精悍な顔には疲労の色が色濃く出ていた。

「くっ…リクオ…頼むから、もう寝てくれっ…」

だがリクオは仰のいて、うっとりと上気した表情で揺さぶられながら、自らも腰を動かすことをやめない。

「あっ、ん…何いってんだよ、まだこれからだろ…」

なあ、今度はあの体勢でやろうぜ。ほらあの、立ったままお前がオレを抱きかかえてやるやつ。

「勘弁してくれ…死ぬ…」

鴆は消え入りそうな声で呟きながら、年若な恋人の要望に応えるべく、

ぎしぎしと悲鳴を上げる身体を起こして、自分よりも重い身体を抱きあげた。



クリスマスの夜。

腰を痛めて寝込む鴆に、クリスマスプレゼントの電気毛布を無言で掛け直してやる、リクオの姿があった。


おわり

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裏越前屋