ご褒美だよ




「あっ…あぁんっ…!」

固い桃を思わせる双丘を割り、痛いほど張りつめた己の欲望で内部を押し広げた。

優美な白い尻尾を模した玩具で、直前までほぐされていた内部は、薬液の助けもあって、

すんなりと鴆を受け入れ、柔らかく締め付けた。

「はっ…ぁっ…ぁっ…ぁんっ…」

鴆が突き上げる度にリクオは甘い嬌声を上げ、同時にコロコロと涼やかな音が鳴る。

リクオの白い首には赤い組紐が巻かれ、喉元には大きめの、リクオの瞳と同じ金色の鈴があった。

揺さぶる度に音が鳴るのが恥ずかしいらしが、だからといってなすすべもなく、

鴆に突かれながらリクオの白い頬は朱に染まっていた。

「あっ…ぁんっ…やめっ…」

鈴の音を愉しむように揺さぶりながら、先刻までリクオの中に埋まっていた尻尾の玩具を振動させて、

乳首や性器にあてがった。戸惑いながらも感じているリクオがたまらなく愛おしい。

「あぁっ…んなにしたら…も…でちまう…」

 過ぎた快感にリクオは身体を震わせ、感じ入った声と共に欲望を敷布に吐き出した。

「くっ…リクオッ…!」

達する瞬間にきつく締め付けられ、鴆も切羽詰まった呻き声と共に絶頂を迎える。

二、三度突き入れて奥に精を注いで引き抜くと、リクオの身体を反転させて仰向けにし、

突然の動作に呆然としているリクオの顔に、馬乗りになって残りの精をかけた。

普段、無自覚に色気を振りまいている完璧な美貌が、今は鴆のもので汚され、

無防備に鴆を見上げている。

こんな淫らなリクオの顔を知るのは、己だけだ。

主にこんなことをしている後ろめたさもまた、昏い快感を煽った。

鴆のもので濡れた頬を紅潮させ、未だに息を弾ませて鴆を見上げる可愛い恋人に、

鴆もまた、荒い息をつきながら口づけた。

口づけは、自分が吐き出したものの味がした。

鴆はかまわず深く口づけてリクオの舌に舌を絡ませ、自分の精をリクオに味わわせた。




「リクオ?」

「――帰る」

日付が変わって今日は土曜日だ。

学校が休みの日は、いつも朝遅くまでゆっくりしていくリクオが、背を向けてそう言ったものだから、鴆は慌てた。

風呂で念入りに洗ってやっている時も、濡れた髪を拭いてやっている時も、

特に機嫌を損ねている様子はなかったのだが。

襦袢を着て部屋に戻ってきた今になって、我に返ってしまったのだろうか。

リクオは背を向けたきり、こっちを見ようとしない。

「今日は学校ない日だろ?朝までゆっくりしていきゃいいじゃねえか」

「けど、来週から試験あるし」

湯上りのうなじが赤く染まっている。いっそう赤い花びらのような痕が襟から見え隠れしていた。

こちらを見ないように長着に手を伸ばすリクオの背を、鴆は抱きしめた。

「朝に帰ったって同じだろ?つれねえこと言うなよ」

首筋と同じく赤く染まった耳に口づけながら懇願すると、リクオは押し黙った。そして腰に回された鴆の手にそっと触れる。

寝る時も、リクオは鴆の胸に顔を埋め、その表情を見せてくれようとはしなかったが、

へたにつつくと藪蛇になるため、鴆は賢明にもリクオのしたいようにさせた。

リクオを抱きしめながら、先刻までのリクオの媚態を反芻していた。

今夜のリクオは最高だった。

あの猫耳と尻尾は大切にしまっておこう。そしていつかまた使おう、と、にんまりと笑った。





おわり

相変わらずちょろいリクオ様でした…。
リクオ様に遠慮して普段あまりしませんが、
世の人間の男性と同じく、鴆さんもフェラと顔射とお縛りが大好きだと思います;
拍手ありがとうございます〜!

裏越前屋