ご褒美だよ
6 「あっ…あぁんっ…!」 固い桃を思わせる双丘を割り、痛いほど張りつめた己の欲望で内部を押し広げた。 優美な白い尻尾を模した玩具で、直前までほぐされていた内部は、薬液の助けもあって、 すんなりと鴆を受け入れ、柔らかく締め付けた。 「はっ…ぁっ…ぁっ…ぁんっ…」 鴆が突き上げる度にリクオは甘い嬌声を上げ、同時にコロコロと涼やかな音が鳴る。 リクオの白い首には赤い組紐が巻かれ、喉元には大きめの、リクオの瞳と同じ金色の鈴があった。 揺さぶる度に音が鳴るのが恥ずかしいらしが、だからといってなすすべもなく、 鴆に突かれながらリクオの白い頬は朱に染まっていた。 「あっ…ぁんっ…やめっ…」 鈴の音を愉しむように揺さぶりながら、先刻までリクオの中に埋まっていた尻尾の玩具を振動させて、 乳首や性器にあてがった。戸惑いながらも感じているリクオがたまらなく愛おしい。 「あぁっ…んなにしたら…も…でちまう…」 過ぎた快感にリクオは身体を震わせ、感じ入った声と共に欲望を敷布に吐き出した。 「くっ…リクオッ…!」 達する瞬間にきつく締め付けられ、鴆も切羽詰まった呻き声と共に絶頂を迎える。 二、三度突き入れて奥に精を注いで引き抜くと、リクオの身体を反転させて仰向けにし、 突然の動作に呆然としているリクオの顔に、馬乗りになって残りの精をかけた。 普段、無自覚に色気を振りまいている完璧な美貌が、今は鴆のもので汚され、 無防備に鴆を見上げている。 こんな淫らなリクオの顔を知るのは、己だけだ。 主にこんなことをしている後ろめたさもまた、昏い快感を煽った。 鴆のもので濡れた頬を紅潮させ、未だに息を弾ませて鴆を見上げる可愛い恋人に、 鴆もまた、荒い息をつきながら口づけた。 口づけは、自分が吐き出したものの味がした。 鴆はかまわず深く口づけてリクオの舌に舌を絡ませ、自分の精をリクオに味わわせた。
「リクオ?」 「――帰る」 日付が変わって今日は土曜日だ。 学校が休みの日は、いつも朝遅くまでゆっくりしていくリクオが、背を向けてそう言ったものだから、鴆は慌てた。 風呂で念入りに洗ってやっている時も、濡れた髪を拭いてやっている時も、 特に機嫌を損ねている様子はなかったのだが。 襦袢を着て部屋に戻ってきた今になって、我に返ってしまったのだろうか。 リクオは背を向けたきり、こっちを見ようとしない。 「今日は学校ない日だろ?朝までゆっくりしていきゃいいじゃねえか」 「けど、来週から試験あるし」 湯上りのうなじが赤く染まっている。いっそう赤い花びらのような痕が襟から見え隠れしていた。 こちらを見ないように長着に手を伸ばすリクオの背を、鴆は抱きしめた。 「朝に帰ったって同じだろ?つれねえこと言うなよ」 首筋と同じく赤く染まった耳に口づけながら懇願すると、リクオは押し黙った。そして腰に回された鴆の手にそっと触れる。 寝る時も、リクオは鴆の胸に顔を埋め、その表情を見せてくれようとはしなかったが、 へたにつつくと藪蛇になるため、鴆は賢明にもリクオのしたいようにさせた。 リクオを抱きしめながら、先刻までのリクオの媚態を反芻していた。 今夜のリクオは最高だった。 あの猫耳と尻尾は大切にしまっておこう。そしていつかまた使おう、と、にんまりと笑った。
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