もっと見たいよ

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「なあ、悪かったって。頼むから機嫌直してくれよ」

身体を清められ、清潔な襦袢を着せられた後、正面から抱き寄せようとする鴆に背を向けて寝転がると、

鴆は慌てて機嫌をとってきた。

けれど、簡単には許してやれない。

道具を使われるのは嫌だって言っているのに、これで二度目だ。

その上、「気持ちよかったろ?」なんて言われると、相手が鴆でなくても感じる淫乱みたいで、自分がすごく嫌になる。

「いつもと違うあんたを見たかったんだ。嫌だったんなら、あれはもう使わねーから」

妖怪だこの時にもそう言った。確かにあれは二度と使わなかったけれど。

一体どんな言葉で誓わせれば、こんな目に遭わされずに済むのか考えていると、

「リクオ、愛してる」

耳元で囁かれ、背中から抱きしめられて、思わず身体が震えた。

「リクオ…」

シーツを掴んだ手に大きな手を重ねられ、頬や、耳や、首筋に何度も乞うように口づけられて。

切なげに名前を呼ばれれば、もう怒り続けていることなどできなくて。

リクオはとうとう、鴆の唇を受け入れたのだった。


若菜お手製のパンプキンケーキをお互いに食べさせあったのは、それからさらに二時間後のことだった。




この時ちゃんと鴆さんをしつけなかったせいで、リクオ様は近々また同じ目にあうことに…


 



裏越前屋