虎美(こび)
前編 by LUCIAさま |
土曜日。悪夢がまた始まる。 「いやああああ!!!」 高耶の秘所は前戯もなく貫かれた。腿を伝って血がシーツを赤く染め上げた。 「これが欲しいのでしょう?」 涙に濡れた瞳で高耶が見上げてくる。その目の前で直江は白い封筒を振ってみせた 。高耶がそれに手を伸ばそうとするとすいっ、と遠ざけた。高耶が睨み付けると楽し そうに笑う。 そう、この男は楽しんでいる――。 封筒をサイドテーブルに置くと直江は腰を揺らし始めた。サイレンのような鳴き声 が再開される。悪夢は永遠に続くかに思えた。
「ご機嫌だな、義明」 最初はそう思っていた。 高耶は動くたびに軋む体でシャワーを浴び、自分の下宿へ帰った。レポートを書か ねばならない。高耶は勤労学生なのだった。直江がくれる金は自分の学費と妹の生活
費に充てている。それでもまだ足りないので、水・木・金曜日にバイトをしていた。 なぜ月・火はしないのかというと、直江に痛めつけられて体がつらいからだ。 土曜日を心待ちにして仕事をする自分がいる。今や「直江」になるのが義明の楽し みのすべてだった。どれほど酷い仕打ちをしても高耶の眼が屈辱に染まることはない 。野生の虎を思わせる、その眼差し。どんなに着飾った女より美しいと思った。土曜 日ごとに彼を痛めつけるのは、その躰に自分を刻み込ませたいからだ。痛みが続く間 は高耶は直江を忘れることができない。所有の印を肌に刻印すれば誰にもそのしなやな躰を与えることができない。独占欲がうごめく。新しい自分。
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ふ…ふふふ。BDねたなのになぜ!?と思われるあなた、後編へすすみませう!
女に飽きて男を買う直江…しかもきっかけは出会いサイト! 一見割りきった関係でお互い想いがすれちがい…。こんな二人がどうなるのでしょうか? |