Frenzy
Stage 1:
幻覚

 

Prologue

 

 

首のない男に犯されていた。

 

「・・・アァ・・・ッ」

獣の息遣いと共にあげさせられる苦悶の声を、どこか他人のもののように
聞いていた。夢か現かもはや判断がつかない。かすみかける意識を
間断なく突き上げる熱い塊がかろうじて繋ぎとめていた。

鼻につく鉄と獣の匂い。

がっしりとした腕に抱えられた両足の間からは、精液と血液が交じり合って
流れ出し、男が動く度に淫靡な音を立てていた。その動きには相手を気遣う
様子はまったくない。ただ自らの欲望を満たすためだけに突き上げている。
あるいは犯り殺すつもりなのかもしれない。
情交ではない、一方的な陵辱だった。

快感を伴わない痛みは、いつしか痺れに変わっていく。それでも、
乱暴に押し入ってくる熱は快感に変わることはない。まるで拷問だ。

猛獣の牙にかかった草食動物のように、ただがくがくと揺さぶられながら
なぜかとても満ち足りた気分だった。痛みと屈辱に耐えていたはずの
顔は今、きっと喜悦に歪んでいる。

両手が首にかかった。律動を続けながら、男は少しずつ力を加えていく。

薄く開いた唇から熟れた吐息を漏らしながら、うっとりと男を見る。
男の首の赤い断面を。

首のない男。この男を知っている。
自分が今まで支配し、誰よりも強く所有し続けた男。
この男に、殺されるのだ。

視界が急速に暗くなっていく。
意識が途切れる寸前、はじめて快楽に濡れた喘ぎ声をあげた。

 

どこかで時計の音が鳴っている。
一回・・・二回・・・

時計の音が鳴り止む時、全ては終わる。
永遠の暗闇の中に、おまえと二人。
この閉ざされた世界で――

 

つづく
裏Northern小説


データがみつからず、(Dollに引き続き)またも打ち直し・・・が――ん・・・。
というわけでふれんじの始まり。いきなり裏ですんません;
えろだけならともかく首なし直江はぐろなんで(^^;)
よろしかったらおつきあいくださいませm(_ _)m
しかしこれ書いたころの私って・・・若かったのねー・・・(しみじみ)