アカギの長い夜 |
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<イツキの話>
「昔々、ある商人に3人の息子がいました。 けれど、商売をはじめてからまもなく、ガムテープ屋を営んでいた一番上の兄、慎吾は ある日のこと、一番下の息子の拓海が父親から継いだ店、藤原豆腐店の店先で
「あの・・・そこにいられるとお客さんこないんで・・・ と拓海が言いますと、この男は泣きながら答えました。 「おまえってつくづく薄情な奴だよなぁ・・・てめぇのアニキの顔もわからねーのかよぅ」 よくみると、それは兄の慎吾でした。 拓海は驚いて店の中に迎え入れ、一体何があったのかとたずねました。 「バトルに負けて、EG6は崖下へまっ逆さまでよ・・・ そこで拓海は慎吾に風呂を使わせ、着る物などを買ってやり、家に住まわせました。
それから慎吾に店番を任せ、拓海が配達に行くようになりました。 「バトルに行くのなんてやめて、まじめに仕事してくださいね」 慎吾は大いに感謝してこの分け前を受け取り、独立して店を開きました。
その後、数日の間は何事もなく過ぎました。 もちろん拓海はひきとめましたが、ケンタはいっかな聞き入れず、 「レインバトルで刺さっちまってさ・・・Q's、廃車になっちまった」 しょんぼりと語るケンタに、 「だからバトルなんかやめろっていったじゃないですか・・・」 拓海はそういいつつも、ケンタに食事や飲み物を与え、家に住まわせました。
それからケンタに店番を任せ、拓海が配達に行くようになりました。 「もうバトルに行くのなんてやめて、まじめに仕事してくださいね」 ケンタは大いに感謝してこの分け前を受け取り、独立して店を開きました。
こんな調子でしばらく過ごしていましたが、
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