アカギの長い夜 |
16
夢の中の青年は拓海と名乗りました。 「それで、どうやったら元に戻るんだ?」 快楽に涙をぽろぽろ流しながら縋り付いて来る拓海がかわいくて、啓介はますます激しく腰を動かしました。
そうして啓介は毎晩拓海とえっちをしていましたが、 そうして夜も昼も一緒に暮らしているうちに、拓海を心底からいとおしく思うようになりました。
ところがある日、拓海は原因不明の病にかかってしまいました。 啓介が向かったのは、一件のりっぱな邸宅でした。 「アニキ。こいつを、拓海を助けてくれよ」 頼む、と啓介は言いました。
啓介の兄の涼介はお医者さんでした。 「アニキ。こいつを人間の姿に戻せないか?」 とたずねると、涼介は 「無理だな。魔法をかけた人間でないととけない」 と答えました。
そこで、啓介は拓海を連れてなつきの家に行きました。 「拓海に変な魔法をかけたのはお前だな。はやく元の姿に戻せゴルァ!」 と凄むと、なつきは 「ふーんだ、恐くないもんね。あんたも犬になっちゃえ!」 と唱えました。すると、啓介もたちまち柴犬になってしまいました。
「・・・おまえまで犬になってどうする」 足元でわんわん吠える二匹の犬を、涼介は呆れた表情でみつめました。 しかしそうしていても弟達が元の姿に戻るわけではありません。 「仕方がないな」 涼介は2匹の芝犬を連れてなつきの家に行きました。
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