アカギの長い夜

 

 

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「2人を元の姿に戻してやってくれないか」

涼介の美貌になつきは内心どきどきしながらも、

「イヤ。拓海君は私のだもん。邪魔をするならあんたも犬になっちゃえ!」

と唱えました。

ところが涼介は犬にはなりません。
驚き怯えるなつきに、涼介はこの2匹の犬が昼間から交尾にいそしんでいたことを思い出しながら言いました。

「こいつらの魔法を解いたら、おまえをずっと拓海のそばにいられるようにしてやろう」

それを聞くとなつきははらはらと涙をこぼしました。

「拓海君に嫌われたくなかったの・・・」

そして、2人が人間の姿に戻ると同時に、なつきはプードルに姿を変えられました。

 

「だからうちは豆腐屋なんですってば・・・」

動物飼えないのに・・・とぶつぶついいながらも拓海はプードルをひきとり、婿入りしてきた啓介と末永く幸せに暮らしました。

 

・・・とまあ、こんなところだ。」

健二は話し終わると、魔神の反応をじっと待ちました。

 

 

魔神は一言、

「けっ」

と吐き捨てました。

「時間の無駄だったな。
そんな子供だましのえっちでこの啓介様のナニが満足するとおもったら大間違いだぜ。
そういうわけでこいつは予定通りもらっていく」
「ええっ!?」

3人が話をしているうちにさっさと逃げればよかったものを、
魔神と一緒に話をきいていた拓海は驚き慌てました。
魔神はいまさら逃げようとする拓海の細腰をつかんで軽がると担ぎ上げ、

「あんな話より何倍もえっちなことをしてやるかんな」

とどこかうきうきと帰りかけました。

しかし、ふと何かを思い出した様子で三人の方をふりかえると、

「・・・まあ、ちょっとは楽しんだかもな」

だからこれをやる、と肩に担いだ拓海の服と下着を脱がせて3人に与えました。

 

それきり、魔神と拓海を見かけたものはいませんでした。
村人たちはこの事件を教訓に、くれぐれも山道にみだりに梅干の種を捨てないようにと語り伝えました。

 

さあ、これでおしまいです!」

 

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