アカギの長い夜 |
2 それから拓海は王宮に連れて行かれ、女官の手によって湯浴みをさせられました。 そして作法を何も知らない拓海に、 「殿下がいらっしゃったら、最初に、『今宵一晩、殿下のお情けをいただきとうございます』 と女官は教えました。 香が焚き染められた寝室に連れて行かれ、ここで待つようにと言われて女官たちが (なんか俺・・・ヘンなとこに来ちまったなー。場違いな感じ・・・) 話し相手をするだけでいい、と史浩は言っていましたが、湯浴みの時の、拓海本人の (はやまったかなぁ・・・) どうせならこのまま誰も来ないで夜が明けて欲しい。そんな拓海の願いもむなしく、とうとう王子が部屋にやってきました。
敷物にひざまずいた拓海とその前に立つ啓介。奇妙な沈黙が続きました。 (えーと、俺から何か言わなきゃいけないのかな。何て言うんだっけ) ちょっと緊張しているようです。ようやく女官に言われたことをおもいだすと、 「今宵一晩、殿下のお情けをいただきとうございます」 とやや棒読みぎみに言いました。 啓介は拓海の前に膝をつくと、拓海の顔を覆っているヴェールを上げ、無造作に顎を上向かせました。 「・・・やっぱ男かよ」 あきれたようにため息をつく王子はなかなかの男前です。 「おまえ、名前は?」 一国の王子を前にして物怖じも媚びもしない拓海のまっすぐな目に、啓介はニッと笑いました。 「覚えとくぜ・・・オレは高橋啓介。ぼけっとしてないで、そのじゃらじゃらした飾り、さっさと外せよ」 さっさと服を脱ぎだす啓介に、拓海は動揺しました。 「服は脱がせて欲しいんなら脱がしてやってもいいけど。アクセサリーは引っかかったりして面倒だからな」 啓介は下穿き一枚の姿になって寝台に寝っころがります。 「・・・あのう、本当にやるんですか?」 確かにそのために連れてこられたのですが、そのつもりだったわけではありません。 「うわっ」 別に嫌なら無理しなくてもいいですっ・・・という必死の訴えは、覆ってきた唇にかき消されました。
「んっ・・・」 唇は2,3度様子をみるように軽く触れた後、深く覆いかぶさってきました。 首筋をなめられ、乳首を親指の腹でこねくりまわされると、身体の奥からざわざわと 「は・・・あっ・・・」 探るように触れる啓介の指に敏感に反応し、恥じらいながらも感じているのを隠せない 「あんっ・・・!」 握られた瞬間、口をついて出た恥ずかしい声に、拓海は真っ赤になりました。 「気持ちよくてたまんねーって顔してるぜ・・・」 からかうような啓介の声に何も言えず、逃れるように身を捩りますが、それは逆に愛撫をねだっているようにも見えました。 「イかせてやるから・・・オレの名前呼べよ」 熱で潤んだ目を開けると、啓介は意外にも真顔でした。その瞳の奥には拓海とおなじ熱が見えます。 「啓介だ」 扱く手は激しさを増し、拓海は初めて人の手の中で精を放ちました。
はあ、はあという荒い息が途切れぬうちに、拓海の精で濡れた啓介の指は 「ひっ・・・や、だ・・・」 いきなり冷たいものを塗られ、驚く間もなく液体をまとった指が侵入してきます。 「やだ・・・気持ち悪い・・・」 勝手なことを言う啓介に腹が立ちましたが、組敷かれているのではどうにもなりません。 「んっ・・・う・・・んっ・・・」 こらえるように硬く引き結んでいた唇はいつのまにか薄く開き、感じているとしか思えない声を漏らします。 「ん、こんなモンか」 指を引き抜くと、代わりに啓介自慢のイチモツをそこにあてがいました。
「ヤ・・・アアアアッ」 指よりはるかに太い肉棒をあらぬところにねじ込まれ、拓海はパニックに陥りました。 「くっ・・・おまえ、狭すぎ・・・」 などと勝手なことを呟きながら腰を動かし始めました。 「やだ、待っ・・・あぁんっ」 拓海の制止も聞かず、啓介はそれから三千六百と一回拓海を突いた後、拓海と同時に欲望を吐き出しました。
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