アカギの長い夜

 

 

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そこでまずは寝ぼけまなこの魔神にたずねました。

「本当にオレを殺すつもりか?」
「はぁ」

魔神の返事を聞くと、啓介はさらに言いました。

「死ぬ前にひとつ聞きたいことがある。本当のことを答えてほしい」
「はぁ、それじゃあ、手短におねがいします」

そこで啓介はたずねました。

「おまえ、このパンダの壷からでてきたよな?
おまえの頭も入らないような、こんな小さな壷にどうやって入りこんだんだ?
でもってどうやって大きくなったんだよ??」

「どうやってって・・・俺こうみえても魔神ですよー、それくらいできますよー」

困惑気味に答える魔神に、啓介はケッと吐き捨てました。

「うそつけ。おまえみてーな奴にんな大技できるわけねーだろ」

頭ごなしにいう啓介に、魔神はかちんときたようでした。

「俺が嘘ついているっていうのかよ」
「決まってるだろ。この目で、壷の中に入っているおまえを確かめるまで信じるもんかよ」

と啓介がたたみかけると、魔神はぶるぶる体を震わせて、煙になってしまいました。

 

煙はひとところに凝り固まると、少しずつパンダの壷の中に流れ込み、
しまいにはすっかり中に収まってしまいました。

「どうです、ちゃんと入ったでしょ」

すると啓介は大急ぎで封印のついた鉛の蓋を手にし、壷の口をふさいでしまいました。

「あっ何するんですか!」
「へっ頼みがあるなら聞いてやるぜ。どういう死に方がしたいかってな。
俺はおまえを海に放り込んで、ここへ来た奴全員に注意してやるぜ。
ここには魔神がひとり沈んでいて、そいつは自分の命を救ってやった恩人に、
この世の見納めに、死に様や殺し方を好きに選ばしてくれるってよ」

一方、魔神は啓介の言葉を聞き、自分が壷の中に閉じ込められたことを知って途方にくれてしまいました。

「啓介さん、お願いですからここから出してください」
「ふん、誰が出すかよ、この恩知らずめ」
「もう命をとるなんて言いません。あんたをしあわせにしますから」

さっきとはうってかわったしおらしい態度で懇願する拓海に、
しかし啓介は頑なに首を振りました。

「うそをつけ、呪われた魔神め。
おまえとオレの関係は、昔アニキが話してくれた豆腐屋の息子と王弟の関係といっしょだかんな」

「豆腐屋の息子と王弟の話?それはどういう話ですか?」と拓海がたずねたので、
啓介は次のような話をはじめました。

 

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