アカギの長い夜

 

 

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拓海は涼介に請われて、度々王宮に泊まるようになりました。

ある夜、拓海は彼のために用意された寝室で眠っていましたが、
途中で妙な息苦しさを感じて目を覚ましました。

すると何者かに唇をふさがれているではありませんか。

「や・・・だれ・・・っ」

驚いて逃れようとじたばたしましたが、圧倒的な体格差であっという間に衣服を剥かれてしまいました。

「やだ・・・あ・・・ッ」

その時、犯人から覚えのある匂いがしました。

(まさかっ、涼介さん !?)

しかし確かめるまもなく、拓海はお初を奪われてしまいました。

 

涼介は病気を治してくれた拓海をこの上なくかわいがっていました。
毎日王宮に呼んでは、世界中から取り寄せためずらしいものを見せ、
豪華な食事でもてなし、乗馬を手取り足取り教えて遠乗りをしました。
もちろん父親想いの拓海のために、帰るときには十分なおみやげをもたせました。
涼介は拓海をそばにおき、いずれは自分の妻にしようと考えていました。

ところがある日、弟啓介の一言が涼介に衝撃を与えました。

「あいつ、浮気してるぜ」

啓介の密告に、涼介は一瞬表情を強張らせましたが、

「ばかなことを。藤原はまだ子供だ。男女の経験もないようなあいつがふしだらなことをするはずがない」

ふっと笑って片付けようとした涼介に、啓介はいいました。

「でも俺はみたぜ。あいつがこの王宮で男に抱かれてアンアン言っているのをな」

涼介は啓介を鋭くにらみ、

「黙れ啓介。おまえがそんなふうに藤原を中傷するのは、ただの悪意からとしか思えない。
伝説の王の話にもあるようにな」

しかし涼介の眼力にも啓介はひるみません

「ふん、なんだよその伝説の王の話ってのは」

そこで、涼介は話し出しました。

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