アカギの長い夜 |
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伝説の王と従者の話 むかしむかし、まつりごとよりもむしろ遊びが大好きな、 ある日、啓介はいつものように拓海や他の者たちをつれて狩りにでかけました。 森の中は泉はおろか、水は一滴もみあたりませんでした。 そこで、毒よけの皮の長手袋をはめていた啓介は、拓海が持っていた杯を取ると、 「あっ何すんだよおまえ!」 啓介はむっとしながらも、拓海も喉が渇いているとおもったから、 「てっめー・・・」 啓介はカッとなって拓海を押し倒しました。 「これまでかわいがってやったのに。俺が汲んでやった水を飲まないばかりか、 そして拓海の衣服をすべて剥ぎ取ると、その固い蕾をさんざん犯しました。 「啓介さんのばか!その木にぶらさがっているものをよくみろよ!」 と言うと、ぼろぼろになった衣服をかきあつめ、森の中へと走り去りました。 啓介が目を上げて眺めると、すぐ上の枝に大きな蛇が巻きついていました。 啓介は拓海を犯したことを後悔し、行方を捜しましたが、拓海は二度と啓介の前に姿を現しませんでした。
・・・とまあこんな話だ。俺がおまえの言葉を鵜呑みにしたら、オウムを殺した男のように後悔するに決まっている。」 ふっと笑う涼介に、 「なんだよ、その話ってのは」 と啓介がたずねたので、涼介はまたもや語りだしました。
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