アカギの長い夜 |
4 商人の息子と魔神の物語
ある日のこと、拓海という名のその息子は、いつものように馬に乗って配達に行きました。 すると、どうでしょう!雲をつくばかりの背の高い魔神が、雄雄しくそそり勃った分身をあらわにして現れ、 「てめぇ、よくもオレの大事なムスコにあんなもん投げやがったな!このままタダで帰れると思うなよ!」
「・・・・・・・おい」 ひくーい声が、拓海の話を中断しました。 「まさかオレがその魔神だってんじゃねーだろーな」 涼しい顔で問いかける拓海に、啓介はぐるぐると唸りました。 「けど、なんて登場の仕方だよ。まるきり変質者じゃねーかよ」 静かに問う拓海の無言の迫力に押されて、啓介は黙りました。
いきなり魔神に喚きたてられた拓海はびっくりして、 「いったい俺が何したっていうんですか・・・?」 とたずねると、 「おまえがおにぎり食った後に投げた梅干の種が、気持ちよく寝ていたこの啓介様のナニに当たったんだ。 じゃあ水で洗えばいいんじゃ・・・とか、第一何でそんなモン出して寝ていたんだろう・・・などと考えている間に、 そこで拓海は、ぼろぼろと涙をこぼしながら啓介に頼みました。 「啓介さん、せめて親父と、友達と、先輩たちに会いに行かせてください。 啓介は何度も何度も約束させた上で、拓海を放してやりました。
そこで、拓海は家に戻って手伝いをすませ、父親や親友や先輩たちに一部始終を話してから、 一方、拓海は歩き続けて、とうとう例の場所までやってきました。 「たっくみぃー!助けに来たぜー!」 とその時、何もないところに突然竜巻が起こったかと思うと、中から相変わらずそそり勃つナニを剥き出しにした啓介が、中から現れました。
啓介は一同のそばへ近づくと、他には目もくれずに拓海の腕をつかみ、 「さあ、約束だぜ。このナニが勃たなくなるまで犯らせてもらおうか」 獰猛な笑みに拓海は蒼白になり、見守っている三人もいっしょになって顔色を失いました。 「ちょっと待ってくれ。こいつはまだ子供で、男とも女とも寝たことがない。 いかにも経験が乏しそうな男、池谷の必死の提案に、啓介はふんと鼻で笑いつつ、 「いいだろう。話してみな」 といったので、池谷は拓海を救うべく、語り始めました。
|