アカギの長い夜

 

 

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商人の息子と魔神の物語


むかしむかし、アキナという小さな国で細々と商売をしている、ひとりの商人がおりました。
商人は毎朝夜明け前に息子をたたき起こすと、得意先に豆腐の配達に行かせていました。

ある日のこと、拓海という名のその息子は、いつものように馬に乗って配達に行きました。
帰り道、おなかがすいた拓海は山道の途中で腰をおろして、朝ごはんを食べ始めました。
食べ終わると、拓海はおにぎりの中に入っていた梅干の種を、茂みに向かって力まかせに放り投げました。

すると、どうでしょう!雲をつくばかりの背の高い魔神が、雄雄しくそそり勃った分身をあらわにして現れ、
拓海に近づいて、こう申しました。

「てめぇ、よくもオレの大事なムスコにあんなもん投げやがったな!このままタダで帰れると思うなよ!」

 

 

 

「・・・・・・・おい」

ひくーい声が、拓海の話を中断しました。

「まさかオレがその魔神だってんじゃねーだろーな」
「豆腐屋の息子のほうがいいですか?」

涼しい顔で問いかける拓海に、啓介はぐるぐると唸りました。
言われてみれば、確かに、ただの商人の息子よりは魔神の方がかっこいいかもしれません。

「けど、なんて登場の仕方だよ。まるきり変質者じゃねーかよ」
「・・・話、聞きたくないんですか?」

静かに問う拓海の無言の迫力に押されて、啓介は黙りました。

 

 

 

いきなり魔神に喚きたてられた拓海はびっくりして、

「いったい俺が何したっていうんですか・・・?」

とたずねると、

「おまえがおにぎり食った後に投げた梅干の種が、気持ちよく寝ていたこの啓介様のナニに当たったんだ。
おかげで塩がついて痒くなっちまったじゃねーかよ。おまえの身体で責任とりやがれ!」

じゃあ水で洗えばいいんじゃ・・・とか、第一何でそんなモン出して寝ていたんだろう・・・などと考えている間に、
啓介は拓海をその場で押し倒すとズボンを引き下ろし、両脚を広げさせて、今にも恐ろしい怒張で貫こうとしました。

そこで拓海は、ぼろぼろと涙をこぼしながら啓介に頼みました。

「啓介さん、せめて親父と、友達と、先輩たちに会いに行かせてください。
皆に挨拶をすませたら、必ずここへ帰ってきます。そのときこそ、俺を好きにしてください」

啓介は何度も何度も約束させた上で、拓海を放してやりました。

 

そこで、拓海は家に戻って手伝いをすませ、父親や親友や先輩たちに一部始終を話してから、
風呂で身体の隅々まで洗い、心ゆくまでたっぷりと睡眠をとった後で、皆に別れを告げ、
本ッ当にいやいやながら家を出ました。
一同は涙を流して、拓海の身の上を嘆き悲しみました。

一方、拓海は歩き続けて、とうとう例の場所までやってきました。
拓海が座ったまま、ぼーっと啓介を待っていると、思いがけなく、よく見知った顔ぶれが、拓海が来た方向からやってきました。

「たっくみぃー!助けに来たぜー!」
「イツキ・・・池谷先輩・・・それに健二先輩も」

とその時、何もないところに突然竜巻が起こったかと思うと、中から相変わらずそそり勃つナニを剥き出しにした啓介が、中から現れました。

 

啓介は一同のそばへ近づくと、他には目もくれずに拓海の腕をつかみ、

「さあ、約束だぜ。このナニが勃たなくなるまで犯らせてもらおうか」

獰猛な笑みに拓海は蒼白になり、見守っている三人もいっしょになって顔色を失いました。
やがて、池谷が震えながらも啓介の前に進み出て言いました。

「ちょっと待ってくれ。こいつはまだ子供で、男とも女とも寝たことがない。
いきなりハードなやつをヤッたら、きっとあんたを満足させる前に死んじまう。
俺が今ここでとっておきのエロい話をしてやるから、それで満足したらこいつを犯るのは勘弁してくれないか」

いかにも経験が乏しそうな男、池谷の必死の提案に、啓介はふんと鼻で笑いつつ、

「いいだろう。話してみな」

といったので、池谷は拓海を救うべく、語り始めました。

 

 

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