ピピピ・・・・・・

カーテン越しのやわらかな光の中で鳴り出した目覚まし時計を、毛布から伸びた腕が止めた。

「・・・・う〜〜〜」

実家にいた頃はこれよりもっと早くに起きていた拓海だ。寝起きはそう悪いほうではないはずだが、
つい数時間前まで啓介にがんばられていた身だ。眠いより先に身体がつらい。

(まったく、なんであんなに元気なんだよ・・・)

拓海はぎしぎしと悲鳴をあげる身体をだましだまし起こしながら、傍らで満ち足りた表情で
眠っている啓介をちょっとうらめしそうに睨んだ。
昼間はずっと会社で仕事して疲れているだろうに、帰ってきたら拓海を組み敷いて、
毎晩明け方近くまではげんでいる。拓海は家で昼寝をできるからまあまだよいが、
まさか居眠りできないだろう啓介のあの元気は一体どこから来るのか。
それでも、熟睡している啓介は目覚ましの音にも一向に目を覚ます様子はない。

(おっと、メシメシ)

男二人が寝ても十分な広さのベッドから降りると、手早く服を身に着けてキッチンに急いだ。

(さてと、今日は何にするかな)

 

和食にする
洋食ににする