おしおきジル編その1
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脱ぎなさい…と言われて、エアは制服を脱いだ。 シャツに靴、ズボンなどが、赤い絨毯の上に無造作に脱ぎすてられ、透き通るような肌が露わになっていく。 薄い絹でできた赤いトランクスに手をかけた時にはさすがにためらったが、 冷ややかなジルの視線に促されて、しぶしぶ最後の一枚を脱ぎすてた。 「こっちにお尻を向けて、四つん這いになって。 髪は前に垂らして」 お仕置きする時の、いつもの兄の指示に、エアは素直に従った。 ジルに薄くしまった形のよい尻を向けて獣の姿勢を取り、腿まで届く長いピンクの髪を、 首のところで左右に分けて、床に垂らす。 強い視線を感じながら、エアは心もち尻を上げ、硬く目をつぶって罰が与えられるのを待った。 風を切る音と共に、尻に熱い衝撃が走った。
「あっ…あんっ…」 ジルが慣れた手つきで振るっているのは、虹色に光る九尾の鞭、キャット・オブ・ナイン・テイルだ。 薄い皮紐の先端をそれぞれ結んだ九本の鞭は、皮膚を裂くことはなく、 それを受ける者に疼痛を与え、白い肌に赤い花のような痕を散らせていく。 小さく締まった尻に、華奢な背中に、艶めかしく浮き出た肩甲骨のあたりに、 赤い花が咲く度に、エアは眉を寄せ、苦痛の声を上げる。 だがその声はあまりに艶を帯びていて、 嬌声にしか聞こえない。 ジルは手を止めると、革靴の先でエアの身体を転がした。 「もうこんなにして…悪い子だな」 淡いピンクの茂みからは、うっすらと色づいた綺麗な形の性器が、腹につくほど反り返っていて、 先端からこぼれる先走りで、根元まで濡れていた。 エアは羞恥に赤く染まった顔を覆い、すすり泣いている。 「ぁあんっ…!」 興奮しきった分身を、革靴で容赦なく踏まれて、エアはまた淫らな声を上げた。 「あっ、あっ…あぁっ…!」 固い靴底でいきりたった根元から双丘までを、ぐりぐりと踏み潰されるようにされると、 エアは感じ入った声を上げながら、ジルの靴の下でイッてしまった。 真っ赤な顔で、消え入りたいとばかりに涙をこぼすエアを、ミントキャンディ色の瞳が冷たく見下ろす。 「これじゃあお仕置きにならないな」 ジルはそうつぶやくと、銀のクラウンリングをはめた右手を上げた。 手の中から細い糸がしゅるしゅると宙に浮いた。 夕焼け蜘蛛の濃いピンクの糸は、赤いシャンデリアの光に照らされてきらきらと光りながら、 エアの身体に巻きついていく。 「え…何…」 ほとんど見えないピンクの糸は、エアの手首をひとまとめにして頭上で縛り上げ、 両脚を大きく広げさせられた。 糸はいきり立っている性器の根元にも巻きついたが、きつく縛り上げているわけではないので、 手を縛り上げられた以外は、エアにはわからない。 弾力のある糸は暴れる身体を柔らかく拘束して、とらえた獲物を決して逃がさなかった。 「さあ、お仕置きの続きだよ、エア」 ジルは涙に濡れたエアの顎を掴んで上向かせると、しょっぱい味のする唇に口づけた。 |
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