緋襦袢で四十八手
16. 浮き橋(うきはし)
十分に潤った内部は指を抜き差しするたびに、ぐちゅぐちゅといやらしい水音を立て、体液と溶け合った薬液をあふれさせた。 「なあ…もう、いいか…?」 もう少しイイ思いをさせてやりたいが、そろそろ自分も限界だ。 欲望に掠れた声で尋ねれば、リクオは快楽でぼんやりした目で、小さく頷いた。 身体を横向きにさせて、両脚をまとめて掬い上げると、帯のところまではだけた裾が流れて、輝くような白い腿が露わになった。 着乱れた赤い襦袢姿のリクオは、壮絶に色っぽい。 「あっ…ぁあんっ…!」 脚を閉じさせたまま、月光にさらされた双丘の谷間に欲望を突き入れると、 いつもより狭く感じる入り口は、しかし潤いの助けもあって鴆を奥へと迎え入れた。 熟れた熱い内部が鴆を柔らかくきつく締め付ける。 何もしないうちから精を搾り取ろうとする無意識の動きに満足して、 鴆は激しく腰を打ちつけはじめた。 「あんっ、あんっ、ぁあんっ…」 肉を打ちつける乾いた音と、結合部が立てる水音が静かな部屋に響き渡る。 腰を打ちつける度にしなやかな白い身体が、その身体を包む赤い襦袢の袖や裾がゆらゆらを揺れる。 その様は尾ひれの美しい金魚を思わせて、鴆は思わず口元を緩めた。 これだから、閨でリクオに赤い襦袢を着せるのはやめられない。 鴆は白い両脚をしっかりと抱えなおすと、優雅に揺れる赤い尾ひれの間に、ますます深く、猛る己を突き入れた。 |
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