緋襦袢で四十八手
21. 帆かけ茶臼(ほかけちゃうす)
「ア――アッ…!」 骨ばった細腕に両脚を掬い上げられたかと思えば、露わになった秘所に硬く張った切っ先がもぐりこんできて、 リクオは甘い悲鳴を上げた。 後ろ手をつき、鴆と向き合って膝に乗り上げているために、何もかもが己と鴆の眼前にさらされている。 赤い襦袢を腰までまくり上げられ、開いた足を抱えられた、あられもない格好で、 薬液が溶け出た後口をいっぱいに広げて、鴆の雄を飲み込んでいる。 硬い肉棒が出入りする度に、隠しようもなく屹立してしまっているリクオ自身の先端から、 とめどなく透明な滴が零れ落ちて、根元の淡い茂みや、腰帯を濡らしていた。 「リクオの中、あったかくて、すげー気持ちいい…」 リクオの両脚を抱え、腰を動かしながら、頬を紅潮させた鴆がうっとりと呟く。 きっと自分も同じ表情をしているのだろうと、内壁を擦られる快感に白くかすんだ頭でぼんやりと思った。 こんなあられもない体勢で何をやっているのだろうと思うけれど、 こうして身体を繋げていると、嫌でも思い知らされてしまう。 鴆が好きだと、鴆とこうするのが好きだと、身体が勝手に告白してしまっていた。 それを鴆に知られてしまうのはひどく決まりが悪いけれど、 閨でしか見せない鴆の表情と、熱のこもったまなざしで見つめられているうちに、 そんなささいな意地も、どうでもいい気がしてくるのだった。 |
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