緋襦袢で四十八手
23. しぼり芙蓉(しぼりふよう)
「あっ…あぁっ…」 胡坐をかいて座る鴆に背を向けて身体を沈めると、剛直がずぶりと己の中に入ってきた。 完全に腰を落としてしまうと、それまで腰を支えていた大きな手が伸びて、着乱れた襦袢ごと抱きしめられた。 身体を羽交い絞めにする、意外に力強い両腕と、背中に感じる鴆の身体のぬくもりが心地よい。 だがそんな感慨にひたる間もなく、背後から首筋に幾度となく口づけられ、不埒な手は懐に忍び込んだ。 赤い絹布の中に潜った指が、迷うことなく硬くとがった頂をつまむ。 「あんっ…!」 先刻もさんざん弄られて敏感になっているそこを抓られて、リクオは思わず中の鴆を締め付け、腰を揺らめかせた。 鴆は耳の後ろやうなじをきつく吸いながら、もう一方の手を帯の下に忍ばせる。 痛いほどに勃ちあがっているそこを大きな手で包み込まれれば、 先端からまた先走りの液があふれて、すでに濡れそぼっている性器をさらに濡らした。 「あっ…ん、鴆…」 弱いところをことごとく弄られ、中には熱く燃えるような肉棒が入っているというのに、 リクオが締め付けても、ねだるように腰を揺らしても、鴆は動こうとしない。 「この体勢じゃ動けねえから、あんたが動いてくれよ」 リクオを抱き込みながら、ひどい男はそういってのけた。 自分は動けないからなんて、確信犯だとわかっているけれど、身体は鴆を欲しがって疼いている。 「んっ…」 リクオは胡坐をかいた鴆の膝に手をつくと、片足をついて自分で動き始めた。 赤い襦袢の裾がはだけて腿まで露わになったが、そんなことは気にしていられない。 物欲しげに鴆を締め付けながら、自分のいいところに当たるように、円を描くように腰を動かす。 動きに合わせて、リクオの乳首や分身も愛撫され、三箇所から得られる快感に身も心も蕩けそうだった。 だけど、これだけでは達けない。 どんなに我を忘れて動いても、自分の動きだけでは物足りない。 鴆の愛撫も絶頂まで追い上げるものではなくて。 「鴆…」 途方に暮れて鴆を振り返れば、リクオをこんな状態にした男は仕方ねえなあ、と口端を吊り上げ、 リクオを抱えたまま腰を上げた。 |
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