緋襦袢で四十八手
25. 手懸け(てがけ)
赤い襦袢一枚になって寝室に入ると、どうみても和室にそぐわぬ大きな肘掛け椅子が、 でんと褥の手前に置かれていた。 「リクオ、突っ立ってないでこっちに来いよ」 「…」 椅子に腰かけ、自分の膝をぽんぽんと叩いて促す鴆に、リクオは半眼になった。 「…まさか、このために買ったのか?」 「気に入ったんなら、持って帰ってもいいぜ?」 まったく悪びれない言葉に呆れつつも、鴆の膝に腰かける。 酔狂としか言いようがないが、鴆の趣向につきあうと決めているから、今更ごねるつもりはない。 膝に乗ったリクオの身体を鴆は抱きしめ、うなじに何度も唇を落とした。 襦袢の上から触れていた手は懐に忍び込み、筋肉のついた胸をひと撫でして、胸の頂をつまむ。 「あんっ…」 もう一方の手は裾を割り、内腿の感触を楽しむように撫でまわしてから、足を肘掛けに掛けさせた。 「はっ…ん…」 下帯ごと緩く揉まれて、もどかしい刺激にリクオは身をよじった。 求めている愛撫には遠く及ばなくても、身体は貪欲に快感を拾って、 下帯の内側からは間もなくぐちゅぐちゅといやらしい水音が聞こえ始めた。 「ぁ…や…っ」 下帯を汚してしまう羞恥に頬を染めながら、リクオは鴆の掌に己を擦り付けるように腰を揺らめかせた。 リクオの望みを知る手は、下帯を緩めて中に潜り込み、濡れそぼった分身に直に触れた。 「あぁんっ」 強く扱かれて、リクオは上体をのけぞらせ、甘い声で鳴いた。 自分がどんなはしたない格好で脚を開いているかなど、考える余裕はなかった。 性器を扱かれるのも、乳首を弄られるのも、しびれるような快感をリクオに与えたが、それだけでは物足りなかった。 「あっ…ん…鴆…」 秘所は痛いほどに疼いて、開閉を繰り返している。 まだかろうじて襦袢に包まれている腰を背後の鴆に擦り付けて行為をねだった。 布越しに当たる鴆の雄は、すでに硬く張りつめている。 リクオの求めに従って、下帯が完全に取り去られ、薬液をつけた指がひくつくそこに潜り込んだ。 「あっ…あんっ…」 繊細な指の動きにリクオは自らも腰を動かし、鴆の指を物欲しげに締め付ける。 両脚を肘掛けに乗せ、鴆の指先や関節が、自分のイイところに当たるように自ら腰を振っていると、 鴆は指を引き抜き、息荒く己の前をくつろげて、硬く張りつめた昂ぶりをリクオの中に突き入れた。 「あっ…あぁっ…!」 根元まで沈めると、椅子をガタガタと鳴らせながら、激しく下から突き上げる。 「あんっ、あんっ、いいっ…」 ようやく与えられた激しい愛撫に、リクオは翻弄されながら甘い悲鳴を上げた。 |
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