緋襦袢で四十八手
26. 白光錦(びゃっこうにしき)
熱く濃厚な交わりの後、気を失ってしまったリクオを横たえて、鴆は甲斐甲斐しく後始末をしていた。 起きていれば恥ずかしがるから、意識がないほうがいっそやりやすい。 腰の下に厚手の布を敷き、膝が胸につくほど脚を折り曲げて、 中に出した己の精液や薬液を掻き出す。 目を灼くような白い双丘の谷間から、驚くほど多くの飛沫が流れ出て、下に敷いた布にしみ込んだ。 桶の湯に指を浸しては内部を清め、手拭いで入り口付近も綺麗にした後は性器を拭う。 子供のように無防備な顔で眠っているのとは裏腹に、 白い肌に朱色の痕をいくつもつけて、緋色の襦袢をまとわりつかせている様子は壮絶に色っぽい。 しかも意識がないとはいえ、裾を割って美しい脚を惜しみなく晒し、先刻まで善がってぬるぬるにしていた局部や秘部を 今も鴆の好きにさせている。 思わず喉が鳴った。 薄い下生えから根元、先端まで、綺麗に拭い終わると、鴆は手拭いを放り出し、清めた分身を、今度は掌で包み込んだ。 自分のものとは色も形も違うそれは、緩やかに動かす鴆の手の中でふたたび息づき、形を変えようとしていた。 「…ふっ…」 リクオの唇から、かすかな声が漏れた。 扱き続けると、せっかく綺麗にした先端から、また透明な滴があふれてきて、茎を濡らした。 「ん…ぜ、ん…?」 瞼が震え、金色の瞳がぼんやりと宙を見る。 (悪い、リクオ) 先刻さんざん抱いたばかりだというのに、また欲しくなってしまった。 後で平手でもなんでも甘んじて受けるから。 鴆は、横たわるリクオの前で、一度神妙に手を合わせ、意識を取り戻したばかりのリクオに覆いかぶさった。
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