緋襦袢で四十八手


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. こたつかがり 後




炬燵に座り、自分の膝の間にリクオを座らせた鴆は、

ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて、うっすらと朱を刷いた白磁の頬に唇を落とす。

潜り込んできたときに冷えていた背中や脚は、炬燵と鴆の体温に包まれているせいか、

それとももっと不穏な熱を身の内で感じているせいか、もうすっかり温かくなっていた。

「あっ…ん」

桜貝のような耳朶をねぶりつつ甘噛みし、堅く凝った乳首を強くつねりながら、

空いている手で裾を割り、滑らかな内腿の感触を愉しんだ。

女のように柔らかくはない、しかしみずみずしく張りがあり、

他の箇所に比べれば随分と無防備な肌を手のひらで堪能すると、

骨ばった手は熱のこもった付け根へと這い上がり、

もっとも熱を持っている部分を、下帯の上からそっと揉みしだいた。

「あっ…あんっ…」

弱い部分を布越しに揉まれて、リクオはもどかしげに腰を揺らした。

とうに堅くなって布を押し上げているそこからは、ぐちゅぐちゅといやらしい水音が聞こえてくる。

静かな部屋に響く音に、まるで粗相をしているかのような羞恥を覚え、リクオは首筋まで赤くなった。

「ぜ、んっ…」

もどかしさと羞恥から逃れたくて、思わず男の名を呼べば、

繊細な指は一度愛撫を止め、ややあってから下帯の中に潜り込んできた。

「…ッ」

「あ、悪ぃ。冷たかったか?」

これでも炬燵に入れてあっためてたんだけどよ。容器はあったまっても中身は無理か。

前触れもなく奥に触れられたから驚いただけで、薬液はそこまで冷たくはなかった。

小さく強張らせた身体に詫びるように、頬や首筋に口付けの雨を降らせる一方で、

骨ばった指は薬液のぬめりを使い、遠慮なくリクオの中へと潜り込んだ。

「あっ…あっ…」

細くて繊細な、だがまぎれもない男の指は、リクオの弱点を難なく探り当て、容赦なくイイところを突いてくる。

熱をもった内部をかき回され、なすすべもなく達してしまうと思ったその瞬間、無情にも指を引き抜かれた。

「どうせなら一緒にいこうぜ」

耳元に囁かれた言葉に、勝手な男だ、とリクオは思う。

気が向いた時には何度もリクオだけ先に達かせるくせに。

だがそんな不満も、指の代わりに潜り込んできた太い切っ先が与える圧迫感に掻き消えた。

「あっ…あああんっ…!」

腰骨を支えられて浮かせた腰を沈められ、リクオの喉から嬌声が迸った。

赤い襦袢の裾は腰までたくしあげられ、鴆が下から突き上げる度に、つながった部分が卑猥な水音を立てる。

「すげー色っぽいぜ、リクオ」

鴆は首筋に顔を埋め、はだけた襦袢の胸元と裾から差し入れた手で、

乳首と蜜にまみれた分身をそれぞれ強く愛撫する。

「あんっ…あんっ…」

「こんな姿、誰にも見せんじゃねえぞ…」

炬燵をガタガタと揺らしながら、耳元に吹き込まれたのは、意外にも低く、物騒な声だった。




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あけましておめでとうございます…。



裏越前屋