緋襦袢で四十八手
28. うしろやぐら
「ぁっ…あぁっ…!」 早咲きの桜の木の下で、背後から貫かれた。 熱い肉棒がずぶずぶと奥へ入ってくる感覚に、つかまっていた幹に思わず爪を立てると、 大きな手にひとまとめに握りこまれた。 爪を痛めるからと、そんな気遣いはするくせに、 こんな夜更けに寒空の下、赤い襦袢一枚にしたのもこの男だ。 庭に咲いた淡紅色の花びらを見ていたら、どうしてもここで抱きたくなったのだと、 しきりに首筋に口づけながら懇願されて。 流されてしまう自分は何をやっているのだろうと思う。 濃い色の花びらと似た色の襦袢は腰までめくりあげられ、むき出しの脚には男の脚が絡んで、 外気にさらされた秘所は男のものをいっぱいに咥えこんでいる。 「あっ…あんっ…あんっ…」 背中にはじわりと男の体温を感じ、内部は擦られる度に痛いほど熱い。 前もくつろげられ、己の分身は扱かれる度に男の大きな手を濡らしている。 頬を切るような寒さだというのに、なぜか頬は燃えるようだった。 「あんたの中、すげー気持ちいい…」 息を弾ませながら、少し上ずった声で、背後で男が腰を動かしながら言う。 自分の中で感じているのかと思えば、知らず鼓動は高鳴って、中にいる男を締め付ける。 薄紅色の花の下で、酔狂な交わりは、いつ終わるともなく続いていた。 |
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