緋襦袢で四十八手
36. 千鳥の曲(ちどりのきょく)
「んっ…」 赤い襦袢一枚で鴆の傍らに膝をつき、口いっぱいに分身を頬張るリクオの髪を、鴆は無理すんなよ、と優しく撫でた。 しなやかでこしのある、黒の混じった銀糸が掌の下で滑らかに流れる。 小さな頭が上下する度に、桜色の唇から己の猛りきった肉棒が出入りして、 秘めやかな水音と共に、温かい唾液は茎を濡らし、根元と下映えに滴り落ちた。 「いいぜ、リクオ…」 拙いながらも、鴆に教えられたとおりに舌と口腔全体を使って奉仕してくれる姿に、 鴆の欲望はリクオの口の中でますます脈打ち、大きさを増した。 奥まで含もうとするリクオの表情は苦しげだったが、その表情もまた欲をそそった。 清楚な顔で行為を続けるリクオにもっと淫らなことをさせたくて、 鴆は一回り小さな手を取ると、優美な形のそれを自分の胸元に導いた。 促されるままに、肉棒を口から抜き差ししながら、白い手は鴆の胸板を確かめるように触れた。 そして胸の頂にたどり着くと、ためらいがちにそれをつまんだ。 「ッ…」 鴆がくぐもった声を出したのに気をよくしたのか、形のよい指に力がこもった。 「リ…クオ…ッ」 余裕を失った鴆の声をよそに、リクオは鴆の中心に覆いかぶさり、まるで琴でも弾くように鴆の胸を愛撫する。 今にもはちきれそうな鴆の雄を何度も深く咥えこんで、ねぶっては出すのを繰り返した。 リクオはいつの間にか腰を浮かせていた。 鴆を煽るように忙しなく抜き差しを繰り返しながら、赤い襦袢に包まれた尻は、物欲しげに動いている。 鴆は悪いとおもいつつ、小さなん頭を上から押さえると、それでも精一杯の理性をきかせて、 リクオの口の中で猛りきった欲望を抜き差しし始めた。 |
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