緋襦袢で四十八手
40. 御所車(ごしょぐるま) 前
by 雛衣さま
*この話は前編を雛衣様、後編をきょうこが書いております。 それでは雛衣さまによる前編をどうぞ!
閨で待っている、と、リクオから誘われて、嬉しさ隠せずの様子で奥間に向かう鴆。 その姿を、中庭ごし、リクオが障子を薄く開いて見やっていたのには気付かず。 襖を開けると、攻若様。 「リクオ、どうしたその格好」 「おめーがあんまり可愛い姿見せるから。そんなに、楽しみかい、オレとの逢瀬」 「ち、覗き見たぁ意地が悪いぜ。楽しみに決まってんだろう」 照れてふてくされる鴆。リクオは心から嬉しそうに笑う。 「ああ、オレも楽しみに決まってるだろう」 ずい、と這い近寄られて、身にかけただけの紅い正絹が白い肩からすべり落ちる。リクオの積極に思わず身を引く様子の鴆。 「その姿で、するのかよ」 「嫌かい?趣向を変えるのが、事の始まりだろ」 空いた距離をまた縮められて、瞳の間近で囁き誘われれば、常のしとやかな色気とは違う婀娜っぽさに理性が大きく揺らがされた。 「ひでぇことになっても、しらねぇぞ」 「ああ、おめーとなら、願ったりだぜ」 |
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