緋襦袢で四十八手
42. 乱れ牡丹(みだれぼたん)
「見ろよ、リクオ」 見ねえと抜いちまうぞ、と脅されて、仕方なく背けていた目を正面に向けた。 「…ッ」 目の前に置かれた姿見の中で、赤い襦袢を身体に纏わりつかせた自分が、鴆に抱かれている。 ついこの前までは何気なく着ていた緋色の襦袢だが、鴆にねだられて閨で着るようになったせいか、 着乱れた赤を纏う自分が、ひどく淫らに見えた。 鴆よりも鍛えているはずの、だがまだ青く未熟な、陽に灼けない肌には、花びらのような痕が点々と散っている。 鮮やかな緋色の裾を大きく割り広げた腿の内側にも愛撫の痕は残っている。 後口はいっぱいに開いて男を受け入れ、咥えこんだ一物を物欲しげに食んで蠢いていた。 自身はそそり立ち、先端から涙を流して茎から根元、それから結合部分を濡らしている。 「あんたいつも、こんな風にオレを受け入れてんだぜ」 「やっ…いうなっ…」 反射的に顔を背けようとするが、許されない。 存外に力強くリクオの両脚を抱えたまま、下からゆっくりと突き上げられれば、頭の中が真っ白になるような快感がそこから生まれる。 「あんっ…あんっ…」 引き抜かれる度に入り口が形を変え、追いすがるように鴆の肉棒に絡みつく。 快楽に喘ぐ己の表情はひどく淫らで見るに堪えないものだったが、 リクオにこんなひどい体勢をとらせる男の顔はいつになく欲情を露わにしていて。 荒い息を吐きながら首筋に顔を埋め、余裕なくリクオの名を呼びながら下から突き上げてくる鴆に愛しさすら覚えた。 「あっ…あんっ…鴆っ…」 卑猥な水音と共に擦りたててくる肉棒を、リクオはきつく締め付けた。 |
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