緋襦袢で四十八手
46. ひよどり越えの逆落とし(ひよどりごえのさかおとし)
「ばかっ、どこにチョコ入れてっ…あんっ…」
ここに来る前に寄った化猫屋で、店の女たちにもらったチョコレート。 袂(たもと)に入れていたのをいつのまにか出されて、行為の最中に食うのかと思いきや、 四つん這いに這わされ、慣らされている最中だったそこに押し込まれた。 身体に纏いつかせた襦袢の裾をまくり上げられ、露わになった入り口に、 一口大の塊がもう一個、中に入れられるのを感じて、リクオは喘いだ。 こんなの嫌だ、と思うのに、愛撫に慣らされた内部は歓迎するように中の塊と鴆の指を締め付けてしまう。 「しっかり手ェついてな」 「えっ…ちょっ…」 鴆はリクオの脚を両肩に乗せると、膝立ちになった。 リクオは床に肘をついたまま、中途半端に逆立ちの体勢を取らされる。 「苦しい…鴆っ…」 リクオの訴えも聞かず、鴆は指を引き抜くと、リクオの秘部に舌を差し入れ、抜き差しし始めた。 「あっ…や、だっ…」 中に押し込まれたチョコレートが己の内部と鴆の舌が与える熱で次第に溶けていくのがわかる。 それが気持ち悪いのと同時に気持ち良くて、リクオは混乱した。 鴆の舌はしきりにいやらしい音を立ててソコを味わっている。 腰の上まで裾をめくられている自分が、どんな格好で鴆に舐められているかなど、 血の上った頭でもはや考えることもできず、ただ甘い声を上げることしかできなかった。 「すげー甘えぜ…あんたの中」 ようやく顔を離した鴆は欲情に濡れた声でそう言うと、 肩に乗せていた両脚を腰で抱え直し、硬く張りつめた肉棒を突き入れた。 「ああんっ…!」 溶けたチョコレートでぬるぬるになった腔内を、硬い切っ先が割り広げる。 鴆はリクオの脚を両脇にしっかりと抱えて、力強く突きはじめた。 「あっ、あんっ、あんっ…」 先刻の逆立ちもどきの体勢よりはましだが、これもつらい体勢なのには違いない。 だが、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立ててぬめる内部と、中を抉るように擦りたてる鴆の動きに、 リクオは体勢のつらさも忘れて甘い声を上げた。 鴆も焦らさず、絶頂に向けて激しく追い上げてくる。 「あっ、あっ、鴆っ…」 「リクオ…ッ」 低い呻き声と共に、いつもより深いところに熱い飛沫を注ぎ込まれて、 その感覚にリクオも背筋を震わせ、敷布に精を放った。 ずるりと肉棒を引き抜かれ、茶色がかった液で汚れた敷布の上にうつぶせに横たえられる。 腰から下の感覚が戻らぬまま、なんとか半身を起こして振り向けば、 膝立ちになったままの鴆のそこはまだ雄々しく勃ちあがったままで、 茎全体から共に茶色がかった滴をしたたらせていた。 「舐めてみるか?」 視線に気づいた鴆が優しく髪を撫でながらそそのかす。 甘い匂いに誘われて、リクオは半ば無意識に、先刻まで自分を穿っていたものに顔を近づけた。 |
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