緋襦袢で四十八手
5. 立ちかなえ(たちかなえ)
奴良組本家の布団部屋。 総会の合間にリクオをこの部屋に引きずり込んだ鴆は、羽織と長着を剥いて、赤い襦袢一枚になったリクオを抱いた。 「だめだろ、総会にこの襦袢を着てきちゃあ」 「なに訳わかんねえこと言って…あんっ…」 閨で着せて愉しむために贈った襦袢を、貸元達が集まる総会に着てきたリクオが悪い。 愛しい身体を狭い部屋の壁にもたせかけると、裾をかき分け頭をもぐりこませた。 若い雄をさんざん唇と舌で愛して精を絞り取った後、片方の膝裏に手を差し入れて抱え上げた。 光り輝く白い脚が、赤い絹布(けんぷ)の間からこぼれ出る。 「ァ…アッ…!」 すっかり昂った自身を、つつましやかな秘所に押し当て、挿入した。 途端に狭い肉壁が鴆を押し包み、その熱でもって肉棒を締めあげ、奥へと誘う。 己が慣らして教え込んだその動きに満足しながら、鴆は誘われるままに内部を穿った。 「あっ…鴆…ッ」 鴆が入ってくる感覚に、リクオはたまらず鴆にしがみつく。 肩口に熱くなった頬を隠すように額を擦り付け、身を進める度に甘い声を漏らした。 ぎゅっと目をつぶったその表情が羞恥と快楽に染まっているのを見て、鴆は少し安堵する。 総会の最中、誰が入ってくるかわからない、狭い布団部屋で、 初めて片脚で立たせたままの不安定な姿勢で挿入して、ちゃんと感じてくれるかが心配だったが、 どうやら大丈夫らしい。 先ほど鴆の口の中で達したばかりのリクオの雄は、すでに頭をもたげて、鴆の腹に当たっている。 「リクオ…」 鴆は甘い声でリクオを呼んで、形のよい唇に口づける。 着物越しに感じるリクオの昂りを腹で擦るようにゆっくりと腰を動かした。 突かれる度にリクオはくぐもった声を上げながら、必死に鴆の舌に応えようとする。 懸命に鴆の動きを追うその様子がかわいくて、鴆は腰の動きをますます速めた。 「あっ…あんっ…あんっ…」 繋がった二つの入口で、秘めやかな水音が室内を満たす。 常の清楚な白い襦袢とは違う雰囲気を醸し出す赤い襦袢を身にまとい、 白い片脚を露わに、立ったまま貫かれて悦ぶ様は、たとえようもなく淫らでかわいかった。 「あんっ…あんっ…もっと…っ」 いつもより浅い挿入に焦れて、リクオは自ら腰を動かしながら貪欲に鴆を締めつける。 「あんた、結構こういうの好きだろ…」 うっすらと染まった耳朶を噛みながら、鴆は唆すように言葉を吹き込む。 鴆の言葉に答えるように、リクオの内部がきゅっと締まった。 固そうに見えて、慣れれば案外、変わった性戯も愉しめるのかもしれない。 これは仕込むのが楽しみだと、鴆はリクオを抱きしめながらにんまりと笑った。
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