緋襦袢で四十八手
6. だるま返し(だるまがえし)
仰向けに横たわったリクオの膝を、両脚をそろえて上げさせ、 はだけた赤い襦袢の中から現れた白い内腿に、赤い腰紐を巻きつけた。 「鴆…」 リクオの声には不安が滲んでいる。 固く引き締まった、しかし吸いつくような手触りの腿をしっかりと縛り上げてしまうと、 鴆はリクオに覆いかぶさり、安心させるように口づけた。 「あんたを傷つけたりはしねえよ。気持ちよくしてやるから…な?」 何度か啄んだ後、そっと舌を差し入れて、ためらいがちに触れてくる舌と絡めると、リクオはようやく身体の力を抜いた。 そろえた膝に口づけし、赤い紐で縛った白い腿に赤い痕を転々と残した。 膝を胸につくまで上げると、桜色をした入口があらわになる。 「あっ…鴆っ…」 引き寄せられるように吸いつくと、リクオが焦った声を上げた。 そこを口で愛されることに抵抗があるのは知っている。 だがつつましやかな入口は誘うようにひくついていて、誘惑には抗えなかった。 「あっ…あんっ…」 音を立ててそこを舐め、舌を差し入れて内部の感触を愉しんだ。 リクオは落ちつか無げに身を捩るが、脚を縛られ、押さえつけられているために、うまく抵抗ができない。 押さえつけている手のひらから伝わる、そこを舐める度に内腿が震える感触と、 内部が蠢く様子から、感じているのは確かだ。 めったに口で愛撫することを許されない内部を存分に堪能した後、 鴆は指に潤滑剤をつけ、冷てえぞ、と断って舌の代わりに差し入れた。 「あっ…あっ…」 舌よりも深く入ってくる感触に、リクオは頬を染めてぎゅっと目を閉じる。 愛撫に慣れた内部は、すぐに鴆の指に馴染んで、熱く絡みついては締めつけた。 「鴆…」 指の愛撫に物足りなくなったリクオが、潤んだ目で鴆を見上げてくる。 そのかわいらしさに、つい意地悪するのも忘れて指を引き抜き、猛ったものをあてがった。 「あ…ぁあんっ…!」 媚肉をかき分け、熱いリクオの中に入っていく。 奥に押し込むと、中に塗り込めた潤滑剤があふれ出して、繋がっている部分の周囲を濡らした。 リクオの表情に苦痛の色がないのを確認して、動き始めた。 赤い襦袢をまとわりつかせ、白い腿を赤い腰紐で縛られ、鴆を受け入れて喘いでいる様はひどく扇情的だ。 リクオの中で己の劣情が大きく脈打ち、また大きくなるのを自覚しつつ、鴆は狭い内部を激しく攻めたてる。 「あっ…あっ…鴆っ…!」 最初は不安げだったリクオも、縛られることで、むしろいつもより興奮しているかもしれない。 押さえつけた内腿が、小刻みに震えるのを感じながら、 鴆は己の欲望をリクオの中に注ぎ込むために、いっそう腰の動きを速めた。
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