緋襦袢で四十八手


. やぶさめ




横たわる鴆の腹に乗った状態で、リクオは途方に暮れた。

この体勢は初めてではない。

自分から動くのは恥ずかしいが、下から力強く突き上げられる感覚は嫌いではない。

しかし今夜は両手に赤い腰帯を持たされていた。

その帯は鴆の首にかかって、まるで馬の手綱のようにリクオの手元で結ばれている。

「ほらどうした、動けよ」

動かねーと抜けちまうだろ、と鴆が下から腰を揺すって催促する。

仕方なく、腰紐を握ったまま腰を動かし始めるが、支えがないのでどうにも不安定だ。

「あっ」

鴆がぐっと突き上げた途端、リクオの状態が傾いだ。

後ろ向きに倒れそうになり、思わず両手の腰紐を引っ張った。

「ぐっ…!」

「あ、わり…」

結果的に鴆の首にかかった紐を引っ張ったことになり、慌てて紐を離そうとしたリクオの手を、大きな手が止めた。

「いや、これでいい…こうするための紐なんだからよ」

「けど」

「大丈夫だって」

熱心な鴆の言葉に、リクオは紐を短めに持ち、そろそろと後ろに身体を逸らした。

緩やかに突き上げる鴆の動きに合わせて、自らも腰を揺らし始める。

身体をそらせることで、赤い襦袢の裾からのぞく白い足も、体液と薬液にまみれた結合部分も、

先端から先走りをこぼしている分身も、すべてが鴆の眼前にさらされている。

そしておそらく、恋人に「手綱」をかけて跨る行為に興奮してしまっているリクオの表情もまた。

見られたくない恥ずかしい部分すべてに、焼けつくような視線を感じながら、

リクオは突き上げられて、いっそう甘い声を上げた。





  


なにこのマニ(略)。鴆さんあとで首痛くなりそうです。自業自得?;



裏越前屋