さんざん我慢させられた挙句の、苦痛を伴う、気が遠くなるような快感だった。

いっそ気を失ってしまいたかったが、現実はそれを許さなかった。

鴆はリクオが放ったものを喉を鳴らして飲み干した後、

内部のきつい締め付けを愉しむように指でかき回しながら、先端の割れ目を強く吸って、残滓を舐めとった。

そして指を引き抜くと、鴆はすばやく己の下帯を解いた。

「おい、何をするつもり…」

「何って、決まってんだろ」

細いくせに力強い腕が、縛った両脚を抱え上げて、今まで指を飲み込んでいた場所に怒張があてがわれた。

「あっ…あああっ！」

指とは比べ物にならないものが押し入ってきて、リクオは混乱した。

もしかしても、今入れられているのは鴆の…アレなのか！？

さんざん指で広げられたところをさらに押し広げるように、それは無遠慮にずぶずぶと入ってくる。

「ば、かっ…抜けっ…」

「冗談…ッ」

手足を縛られているために抵抗するすべもない。

一方、鴆は頬を上気させ、切なげに目を細めた。

「あんたの中、すっげえ気持ちいい…」

すぐいっちまいそう、と呟きながら、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「あっ…あんっ…」

動きと共に、粘膜が擦られ、指とは比べ物にならない快感がリクオを襲う。

気持ちいいなんて死んでも認めたくないけれど、身体は勝手に悦んで、中にいる鴆を締め付けてしまう。

「気持ちいいか？リクオ」

答えずにいれば、両方の乳首をつままれた。

「ああんっ！」

自分はおかしくなってしまったのだろうか。

媚薬のせいか？

乳首をきつく抓られながら、後ろを穿たれるのが悦くてたまらなかった。

もっといじめて、もっと激しく突いて欲しい。

そんなことまで考えて、身体が熱くなる。

「あぁ…リクオ…ッ」

無意識の締め付けに鴆はくぐもった声で呻き、激しく腰を打ちつけ始めた。

「あっ、あんっ、あんっ、いい…ッ」

乱暴にされるほど気持ちよくて、リクオは熱に浮かされたように嬌声を上げた。

結合部分からは薬液ともどちらの体液ともつかないものがぐちゅぐちゅと音を立て、

腰を打ちつける乾いた音は小刻みにリズムを刻んだ。

リクオの嬌声と互いの荒い息が絡み、混じりあう。

「あっ、あんっ、鴆ッ…」

「リクオッ…」

縛られた脚を小刻みに震わせて、リクオが射精し、しばらくして鴆がリクオの中に精を注いだ。

奥に熱いものを出されるのを感じて、リクオの身体がまた震えた。

最後の一滴まで撃ち込むと、鴆は息を乱しながらリクオに覆いかぶさり、唇を求めた。

何度も啄み、侵入してくる舌を、もはや拒む気力もなく、リクオも息を乱しながらもそれに応える。

「もう離さねえからな…好きだ、リクオ」

汗で額にはりついた前髪を優しくかきあげられながら、鴆は口づけの合間に囁いた。

そんな言葉には騙されねえぞ、とか、

この手首の拘束を解かれたらまずぶんなぐってやる、とか、

いろいろ思うところはあったけれど、

それでも鴆の言葉に、リクオの鼓動は跳ねあがった。