いつだって僕は
4 襦袢を脱いで、洗い場の上にリクオを横たえた。 形のよい足の甲に恭しく口づける。 足の指一本一本を丁寧に洗い、 優美な形とは裏腹に固い筋肉がついた重たい脚を泡のついた手拭いで擦りあげる。 そうして再び下腹にたどり着き、先刻弄られて半勃ちになったままの分身の根元に泡をのせる。 生えかけの柔らかい毛が泡で浮いたのを指で確かめて、鴆は剃刀を手に取った。 「剃るぞ。動くなよ」 刃を当る瞬間、リクオが息を飲み、身体を固くするのがわかった。 プツプツと音を立てて、伸びかけた毛を剃っていく。 「は…あっ…」 すぐ横は急所だ。細心の注意を払って、刃を滑らせる。 よく切れる刃が、急所のすぐそばを滑って行く感覚を、リクオは息を殺して耐えている。 だが鴆の目の前で、彼の分身は屹立し、先端から涙をこぼしていた。 「剃られて気持ちいいって顔してるぜ、リクオ」 わざと揶揄するように言ってやると、リクオは両腕で赤く染まった顔を覆った。 二回目だから、今回はずいぶん手際よく剃れた。 剃り残しがないかを指で確認し、最後に湯をかけて泡を流した。 投げ出された腕を取って身体を起こし、もう一度湯をかけてから、鴆も自分の身体を洗った。 リクオは濡れた襦袢の上に座り込んだまま、鴆が身体を洗う様子をぼんやりと見ていた。 背中や胸の入れ墨にこそばゆい視線を感じながら、がしがしと身体を擦りあげる。 広げた脚の間ですっかり屹立している雄を洗う時、リクオは恥ずかしそうに目をそらした。 互いを意識して、ぎこちない気分で身体を流すと、待たせたな、と手を取って、二人で湯に浸かった。 「あっ…」 リクオの背中を引き寄せ、後ろ向きに膝に座らせる。 湯の中で手を伸ばし、さっそく仕上がりを確かめた。 剃ったばかりのそこは最初から何もなかったように滑らかで、しかも赤子の肌のようにしっとりと肌に吸い付いた。 「やっぱ、こうでなくちゃな」 その手触りにうっとりとしながら、満足げに呟く。 ここに舌を這わせて吸い付いたら、さぞかし柔らかくて美味いだろう。 ((本当に喰っちまいてえ…) ここも、分身も、どこもかしこも、全部。 物騒なことを考えつつ、鴆はリクオの白い首筋に噛みついた。
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