いつだって僕は

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強い暴風が、雨を屋根や雨戸に激しく叩きつけた。

雨戸を締め切った屋敷の中はいつもより闇が深い。

行燈をひとつ灯した奥の部屋では、外の轟音と共に、荒い息遣いと秘めやかな水音、

そして甘い嬌声が室内を満たしていた。

「ぁっ…ぁんっ…」

剃ったばかりの、みずみずしい果実のような肌に執拗に舌を這わせる。

そうする度にびくびくと身体が跳ねる。張りつめる内腿を押さえつけ、

人の血が混ざっているせいか、ことさら甘く感じる肌を味わった。

「あっ…ぜん…」

根元ばかりを責められるのに耐えかねて、リクオがねだるように腰を揺らす。

いつの間にか覚えた淫らな動きに鴆はほくそえみ、薬液をまとわせた指を、ひくつく後孔に差し入れた。

「ぁあん…」

その冷たさに一瞬ビクンとしながら、すぐに自ら指を飲み込もうと腰を動かす。

熱い肉壁が指を迎え入れ、奥に誘い込むようにきつく締め付けた。

リクオの脈動を指で感じながら、飽くことなく根元を舐め続ける。

双球を口に含み、夢中で歯をたてた。

「アッ…!」

ふいに、抱えている脚が強張った。

(あ、やべ…)

我に返り、慌てて口を離したが、強くかみついた瞬間に内腿は小刻みに震え、

そしてぐったりと力を失った。

分身は未だに腹につきそうなほど反り返って、先走りで濡れそぼっている。

リクオを見ると、頬を上気させ、泣きそうな表情で宙を見つめていた。

今のは痛かっただろうに、どうやらその刺激で、射精せずに達してしまったらしい。

歯形がついたそこをいたわるように舌を這わせ、未だに愛撫を待ちわびている様子の分身を口に含んだ。

「あっ…あぁっ…」

前と後ろを同時に愛撫されて、リクオは達したばかりの身体を跳ねさせた。

力が入らなくても、快楽に貪欲な身体は、指と口腔の動きにあわせて揺れている。

「あっ…ぜんっ…」

奥の弱点を擦りながら、ことさら強く茎を吸ってやると、リクオは内腿を震わせて、

あっけなく鴆の口腔に欲望を放った。

喉を鳴らしてそれを飲み干し、先端に残った一滴まで吸い取る。

それから鴆は身体を起こして、抱えた膝が胸に着くほど折り曲げ、己の怒張をリクオの中に埋めた。

「あっ…ああんっ…!」

息も整わないうちに挿れられて、リクオが苦しげに喘ぐ。

こう立て続けに達かされてはリクオもきついだろうが、蕩けるような熱に締め付けられては、

落ち着くまで待ってやる余裕もなかった。

「あっ、あんっ、あんっ!」

心の中で詫びながら、本能のままに腰を打ちつける。

穿たれて声を上げるリクオの表情は最高に淫らで色っぽかった。

整いすぎた冷たい美貌は快楽で上気し、金の瞳は涙で潤んでいる。

愛しいというにはあまりに凶暴な感情が嵐のように渦巻いて、鴆はそれをぶつけるように奥を穿った。

リクオの内部もそれに応えるように、鴆を受け入れ、締め付ける。

「あっ…あっ…ぜんっ…」

リクオがかすれた声で喘ぎ、内腿を震わせて二人の腹を濡らした。

その瞬間の締め付けに、鴆も身体を震わせ、己の欲望をリクオの中に放った。