夢に見るは貴方
6 出入りの後で、リクオは猩影から誕生祝いの服をもらい、ついでに夜遊びにも誘われて、 風呂に入って着替えてから鴆のところに来たらしい。 ひとしきり抱き合った後、えーまた風呂かよー、とリクオは文句を言ったが、 顔や髪や身体じゅうを汗と精液でべたべたにしてしまっては、入らないわけにはいかない。 それに、行燈ではなく電気の明かりつく風呂場の方が、リクオの身体を点検するには都合がよかった。 リクオの髪や身体を丁寧に洗いながら、身体の傷を調べたが、本人の申告通り、 すでに治りかけている細かい擦り傷のようなものを除いては、怪我をしていなかったことにほっとする。 「あっばかっ…そこは」 「暴れんなって」 先刻までさんざん弄られた性器や秘所も丁寧に洗ってやって、焦る姿をほほえましく思っていたのもつかの間、 今度はオレが鴆を洗ってやると言い出して。 お互いの身体を洗っているうちに、また昂って。 気が付いたら、せっかく洗った場所を再び繋ぎ合わせていた。 「はっ、あ、んっ…」 最初の頃は、風呂での行為すらあんなに恥ずかしがっていたリクオが、 今は鴆の上で、思いのままに腰を動かしている。 愛撫をねだるように鴆の両手を己の乳首と分身に導き、熱を宿した目で鴆を見下ろしている。 綺麗だ、と鴆は思った。 鴆の上で、自ら快楽を求めて腰を振る様は、ひどく淫らで艶やかで、それでいて美しかった。 彼をこんな風にさせたのは自分なのだと思えば、愛しさと誇らしさで胸がいっぱいになる。 鴆は愛撫を施していた両手で腰骨を掴むと、下から激しく突き上げはじめた。
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