届いてほしい




「っ!!」

背中を濡らす、予想しなかった冷たさに、リクオは身体を揺らした。

「なに…」

「こいつはな、精液に反応するんだよ」

鴆が片手でつかんだそれは、リクオの背中の上でみるみる大きくなった。

赤子の頭くらいのそれがみるみる提灯ほどの大きさになり、吸盤がたくさんついた八本の足も、

それに合わせて太さと大きさを増した。

うねうねと動く水気を帯びた足は蔓のようにリクオの身体に絡みつき、先刻鴆が精液を付けた乳首を擦った。

「いや…ぁっ…」

敏感になっている乳首を得体の知れないものに刺激され、リクオは這った姿勢のまま、鳥肌を立てて身体を震わせた。

ぬめる足は精液で濡れた分身にも伸びて、細い先端を絡みつかせる。

根元から先端まで、するすると巻きつきながら、無数の小さな吸盤を擦りつけ、リクオの息が上がる。

両方の乳首を撫でていたそれぞれの足についている大きめの吸盤が、ぴたりと二つの乳首に張り付き、吸い付いた。

「ああんっ…」

リクオの口から、はっきりと嬌声が漏れた。

八本の足はそれぞれ意志を持つように、鍛えられたしなやかな身体を這いまわり、絡みつき、

無数の吸盤で乳首や、先端や、肌を、卑猥な音を立てて吸った。

「鴆…いやだ…これっ…」

異形の生物に身体をまさぐられるリクオは、気色悪さと嫌悪感に耐えかねているようだったが、

快楽を教え込まれた身体はいつもと違う刺激に反応し、腰はねだるように揺らめいていた。

「あっ…そこはっ…」

リクオの無意識の催促に応えるように、一本の足が小さく締まった双丘の谷間にするりと忍び込んだ。

細い先端はひくつく入り口を舐めるように撫でた後、内部にのこる精液の匂いに誘われるように潜っていく。

「ああっ…あっ…」

吸盤の突起にごりごりと内壁を擦られ、リクオの背がしなった。

忍び込む足は細い先端から次第に太くなり、内壁に塗り込められた精液を舐めるように前後に蠢く。

「あっ…ぁあんっ…」

卑猥な音を立てて内部を吸盤で吸われ、リクオは全身を震わせた。




(すげえ)

鴆はごくりと唾を飲み込んだ。

リクオは吸盤がたくさんついたグロテスクな足に乳首、性器、そして後口を責め立てられ、

甘い嬌声を上げる口の中まで出入りしている。

希少な妖怪だこは、入手困難だが閨を盛り上げること間違いなしのお勧めの性具とあったが、確かに評判だけのことはある。

嫌悪で顔をゆがめ、涙を流して助けを求めながらも、異形の生き物に犯されて感じているリクオは、

とても背徳的で艶めかしかった。

「ん…んんっ…ぜん…っ」

全身に足を絡みつかせ、乳首や分身を吸われ、そして内部をじゅぷじゅぷと音を立てて抜き差しされながら、

リクオは泣き濡れた目で鴆を見た。

足に巻きつかれた分身は今にもはちきれそうに先走りを滴らせている。

鴆はようやく腰を上げ、用意していた塩をタコの頭にかけた。

すると、提灯ほどの大きさだったタコの頭はみるみる小さくなって、もとの大きさに戻った。

それを掴んで水を張った桶に放り込むと、その水で手をすすいで拭い、そこかしこに赤い痕をつけられたリクオの腰を掴んだ。